清水幾太郎編『現代思想事典』講談社現代新書
青年は、いくら強く女性を愛していても、充分な収入なしに結婚するのは悪徳である、という安全な社会通念が存在している。かれらにおいては「愛」による結婚生活は、十分なる経済条件という暗黙の、しかし強靭な習慣の上にのみ存在していたのである。
自然の歴史は善から始まる。なぜなら、それは神の作品であるから。自由の歴史は悪から始まる。なぜなら、それは人間の作品であるから(カント)。
イスラム教にあってはキリストは神の子でなく人の子。
イデオロギーは、科学と信仰とのコンプレックスとして機能するものである。
人間とは象徴記号を操る動物なり(カッシラー)。
現在微分積分学でもっぱら用いられている記号は、ほとんどすべてこのライプニッツの考えたものであるといわれている。
過去の日本文化は中国文化によってはぐくまれたと信じているからである。
実存は存在を「問う」ことによって現われるもの。
カント哲学は、ニュートンの思想を指示して、時間と空間は先験的なものである、といった。
アメリカの南部で黒人にもっともつらくあたるのは、彼らによって職を奪われるかもしれない下層の人たちである。それを、上層の紳士たちはゆったりと利用する。ひとつは、それによって彼らの反感が自分たちに向かってこないことになるのだから。
維新以来、一方で天皇に尊厳性が与えられれば与えられるほど、他方の朝鮮人はみじめにおとしめられ迫害されてゆくという一方的なメカニズムが存在していた。
帝国主義とは、ローマ帝国の支配から発したことばで、・・・
ファッシズムの問題はあくまでもナチズムの問題である。
ナチはミュンヘンでなく、ベルサイユで生まれた。
ユダヤ人について考えるには、彼らが人種的集団であるよりは、むしろ宗教集団であることを、理解しておく必要がある。
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