今村仁司編『現代思想を読む事典』講談社現代新書
古い伝統ある言葉だけが「古典的」であるのではない。時代の最先端にあって、孤独に厳しく時代と取り組む言葉もまた同じ程度に「古典的」である。
精神分析の基本は無意識を意識化するということである・・・
マルクス主義は歴史主義でもヒューマニズムでもない。
イスラームとはタウヒードの教えである。
アラベスク
伝統的マルクス主義はしばしば経済決定論におちいり、イデオロギー論を単なる「階級意識の暴露」(虚偽意識論)に縮小してしまった。
レヴィ=ストロースが展開した交換理論が、近親婚禁止の説明としてもっとも説得的と考えられる。
歴史家が、直接的に体験者たちにたいする聞き取り調査を行ない、それによって得られたデータを体系的に活用することによって歴史像を構成してゆくやり方を、オーラル・ヒストリーという。
オリエンタリズム。広義には、西欧(オクシデント)の側から見た「東洋(オリエント)」に関する言説をさす。狭義には、オリエント、とりわけ中東地域の一般的、特殊な問題について教授したり、執筆、研究する西欧の専門家たちの営為の総体をさす。
古代ゲルマンの「ハウス(家)」
カニバリズムの語源はカリブ人に由来する。
ワルター・ベンヤミンの「純粋言語」は暴力的人間関係を克服しうる第三項としての「聖なる言葉」を言い当てようとした。
差別と抑圧に抗するあらゆる運動は、管理社会=他律社会への抵抗運動である。
可逆性
ナチスの熱烈な支持者が下層中産階級に多かったのはその社会的性格ゆえ。
権力の概念の中には支配の概念が含まれている。
国民国家という概念は<近代>が生みだしたイデオロギーである。
デュシャン
パリ・コミューンは、近代史上最上の労働者の自主管理を実現する試みであった。
ハンナ・アレントが指摘したように、第一次大戦こそは、ヨーロッパの既存秩序を解体し、諸価値を解体した、「大衆社会」化の端初ともいえる。
オルテガは、大衆社会化を、人間の充満(人口の急激な増大)という点から出発し、大衆とは自らをおしはかろうとせず、皆と同じであることに快感をいだく人間類型とし、大衆イコール労働者なのではないと論じた。専門家、科学者を教養の喪失という点から大衆的人間の原型ともとらえ、模倣欲望の一般化をこそ大衆社会の本質ととらえる。
フランスにおいて、デカダンとは、時代に背を向け、耽美的な美学を唱える十九世紀末の一群の作家たちを呼ぶ言葉として用いられた。
アンガージュマン(現実参加)
ドイツのグリム兄弟が、フォークロア研究の先駆者とみなされている。
愛によって運命と和解する。
成熟者の叡智
(注)私が持っているこの本は、1993年第八刷の古いもの。
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