寺山修司『遊撃とその誇り 寺山修司評論集』三一書房
フェリーニが『81/2』でもっとも声高に言っていることはどうやら、「自分自身が自分を妨害する」ということなのだ。
柔らかい肌
『気まぐれ天使』におけるケーリー・グランドと『別れて生きるときも』の小林桂樹とは本質的にちがっていることを知らないと現実はえがけない。ケーリー・グランドははじめから「神」としてとらえられているが小林桂樹は朝鮮人として、他人としてしかとらえられえない。
わたしは「地下鉄のザジ」で、ザジの見たパリを愛するが、ザジはパリを見ただけである。わたしならパリを創るだろう。
ゲルマンの血の熱さを意識して集まった若者たちにとってヒットラーの演説こそ詩であった筈である。行為としての詩(Action-poem)は一回性に支えられている。くりかえすために記録をとり、活字にのせて、その状況に参加しなかった者たちに配布させることは無意味である。
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