姜在彦・金東勲『在日韓国・朝鮮人 歴史と展望』労働経済者
在日朝鮮人の大多数は本国での没落農民である。
帰国熱が冷めていった理由として二つがある。その第一は、帰るべき本国の政治的および経済的混乱であり、その第二は、持ち帰り金と荷物の制限であった。
日本政府の帰化行政の基本は、「単一民族国家」のなかに異民族としての痕跡を残さない者だけを選別して同化=日本化することである。ここに多民族的複合国家において、その市民権を取得するのとは根本的な相違がある。
「皇民化」と「内鮮一体」というスローガンの下に進められた同化政策が、いかに欺瞞的であったか・・・
領土帰属の変更に伴う住民の国籍は、第二次大戦後ドイツ在住のオーストリア人のように、当該個人の選択に委ねるべき問題である。
「在日」にとって、戦前はもちろん、戦後も変わらなく見えるということは、積極的に自ら進んで選択したくなるような国籍ではないということです。
« 松田公太『仕事は5年でやめなさい。』サンマーク出版 | トップページ | 朴一『「在日コリアン」ってなんでんねん?』講談社+α新書 »
「歴史」カテゴリの記事
- 文藝春秋編『世界史の新常識』文春新書(2024.02.01)
- 磯田道史『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』NHK出版新書(2023.06.18)
- ジュディス・S・ニューマン『アウシュヴィッツの地獄に生きて』朝日文庫(2023.01.29)
- 関眞興『30の戦いからよむ世界史 上』日経ビジネス人文庫(2022.08.02)
- 竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』PHP文庫(2022.07.12)
« 松田公太『仕事は5年でやめなさい。』サンマーク出版 | トップページ | 朴一『「在日コリアン」ってなんでんねん?』講談社+α新書 »
コメント