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2014年11月24日 (月)

鹿島茂『勝つための論文の書き方』文藝春秋

善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや

日本人が明治維新で、西洋の近代文明に目を開いたとき、ほとんどの問いは、ギリシャ・ローマの時代から始まって産業革命に至るまでの時期にすでに完全に出揃っていたため、日本人は西洋人にならってこれらの問いに答えればそれでよかったからです。

良い論文が書けるか否かは、一にも二にも、良い問いを見いだせるか否かにかかっています。

論文指導というのは、結局のところ、どのようにして問題を立たせるかの指導ということに尽きてしまうのです。

問いは、比較することによって初めて生まれる。

共時的比較

ミッシング・リンク(失われた環)

司馬遼太郎は資料に当たった小ウソ、山田風太郎は資料にもあたらない大ウソ・・・・・・子の特徴は、両者の小説家としての特徴そのものなのです。

日本人というのはまじりっけなしの純粋というのが好きなのです。

フロベールの『ボヴァリー夫人』研究に一生を捧げましたなんて人の研究なんてものに面白いものは絶対に出てこない。

紀要は、読まれないことを前提にして発行され続けているのです。

われわれが知っている『古事記』というのは、あれは本居宣長が『古事記伝』として書き直したもの

カーニバル理論

自分と同じテーマについて書かれた過去の論文にあたるとき、優れた論文だけでなくて、試しにつまらないことを言っている論文も読んでみる。すると、意外なヒントが見つかることがある。つまらない論文の中に「おっ」と思うような、自分の仮説作業に非常に重要なものが入っていることがあるというのです(ウンベルト・エーコ『論文作法』)。

どんなに固い論文でも、少なくとも序論は、幅広い読者を想定して書くべきだということを頭に入れておいてください。

インディオはモンゴロイドだから、私たちと同じく肉体が弱い。

論文というのは、基本的に、常に対話なのです。

本当に良い論文を書きたいと思ったら、論文を書き終えた瞬間に、そこからもう一度、初めから書き直すのがベストなのです。

とりあえず書き始めてみる。

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