松本健一『日本の近代1 開国・維新 1853~1871』中央公論社
万国公法(のちの国際法)
威嚇(ブラフ)
松蔭が学んだような山鹿流の軍学
風船爆弾
ジョン万次郎のように「漂流」に名を借りればよい。
吉田松蔭の下田踏海(密航)事件
咸臨丸は幕府がオランダに注文し、キンデルダイケ造船所でつくられた、旧名ヤパン(日本)号である。このときはすでに、マストに「日の丸」をかかげていた。
徳川家康が関ヶ原でたたかったさいの旗印が金地の「朱の丸」つまり「日の丸」
朱子学者としての象山にとって、文明の理想は中華、それも中国古代の聖代にあったのに、・・・
兵法(『孫子』)に、敵が攻めてこないのを期待するのではなく、敵が攻めてくる可能性を考えて備えよ。
欧米の大学にはほとんどなかった「工学部」を明治日本が創設していった理由も、ここにあったのである。
幕末というのは、ペリー来航(1853年)から明治維新(1868年)に至るまでの、わずか15年間にすぎない。
幕府こそが「天下随一の攘夷藩」だった、という福沢諭吉
西郷の師とよんでもいい島津斉彬
吉田松蔭のような攘夷家でさえ、いちど結ばれた外国との条約を反故にすることは国際的信義にもとる、と考えていた。
攘夷運動の最先端に立っていたのは、徳川斉昭をシンボル的存在とする水戸藩だった。
水戸学はもともと、徳川光圀の『大日本史』編纂にさいして成立した、儒学的な名分論にほかならない。
時務論(いま何をなすべきか)
漢土とは、むろん中国のことであるが、当時の日本にとって中国とは「華」、つまり文明の中心である。世界全体と置き換えてもよい。
「天地ノ公道」は、ほかでもない、「万国普通之法」つまり「万国公法」のことを指していた、という事実である。
「文明」のヨーロッパと、「非文明」つまり「野蛮」の日本(=アジア)
キリスト教において、人間が「迷える小羊」にたとえられ、神に使えて人間を導くものが牧師すなわち「羊飼い」とたとえられる
ハリスと「唐人お吉」の下田情話
攘夷の英語訳は、ヤンキー・ゴー・ホーム!だ、という説さえある。
萩の松本村に幽居して松下村塾をひらき、・・・
いま「日本国中を一家」と考える橋下左内のような構想のもとに、・・・
当時の井伊のアダナである「赤鬼」
「士」と「民(ピープル)」をめぐる高すぎの関心は、・・・
天皇機関説
討幕は西郷が中心にいてはじめて可能な歴史であった。余人では換えがたい。
明治の「一新」が、ほかでもない「維新」という文字で表現されるようになった・・・
戊辰戦争は、ある意味で、錦旗と日の丸のたたかいだった。
幕末の集団ヒステリーともいえる「ええじゃないか」運動
天理教の開祖、中山みきの説いている「神」は、天皇のことではない。それは、天理の「神」による世直し(「世界一烈心勇むる」)なのだ。
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