子安宣邦『日本ナショナリズムの解読』白澤社
この「日本」と「天皇」とが歴史上に成立してくるのは、白村江の敗戦によって日本が朝鮮半島から手を引き、朝鮮との間に政治的、軍事的な境界線が引かれることによってであった。「日本」の成立史とは、「韓」からの離脱史なのである。
日本神話における「韓」の痕跡を帯びた代表的な神はスサノオである。
福沢はこのように一国人民の独立的持続こそがまことの国体の持続だというのである。それはたとえば君主政治という国家政体の持続をいうことではない。福沢の展開するのは国民主義(ナショナリズム)に立った国体論である。
「種の論理」の哲学的な論争対象としてあったのはヘーゲルであり、ハイデッガーであり、西田などであったが、・・・
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