梶井厚志『戦略頭脳 実践に役立つ4つの戦略とその活用法』サンマーク出版
インセンティブを考えず、善意に期待した戦略は、必ずしも善意では動かない人が少しでもいれば破綻してしまう。インセンティブを考慮に入れていないシステムは、実にもろいものなのである。
リーダーとは、最初に行動をコミットできる人だといえる。最初に行動をコミットしてやることで、残りの人たちは、それに対応して最善を尽くせばよいことになるから、問題が簡単になる。
文書に残すというのはさまざまな状況で有効な戦略
松下幸之助の言葉に「自分が儲けすぎてはいけない」というものがある。
「自分が儲けすぎてはいけない」という発言の本当の意味は、「儲けすぎていると思うときは、どこかにスキがある証拠だから、自分のしていることを見直すべきだ」ということだ。
ベーブ・ルースの呪い
源泉徴収の制度は、ある意味で国民に国がしていることを学ばせない制度だ。
ポーカーなどの「ブラフ」
経済学の古典的な命題に、「自由貿易は当事者の国すべてをより豊かにする」というものがある。
経済学では、談合など抜け駆けを妨げる長期戦略構造の例が数多く議論されている。
ロック・イン戦略とは、自分にとって望ましい行動をとるように、相手を閉じ込めていく戦略である。
マクドナルドの藤田田元社長が「人間は、7歳までに食べた味を食べ続ける」と語っていた。
異種のものが入ってきたときに、皆で攻撃するというのは、状態を安定的に保つシステムになっているのである。
キャベット・ロバートは「自分で何を買うか決められる人は全体のわずか5%、残りの95%は他人のやり方を真似する人たちです」と語っている。
大流行したルーズソックスは、発信地は茨城
流行を起こしやすいグループにまず商品を定着させようとする戦略は、進化という考え方からしても理にかなっている。
ブランドールは、次にはやらせるものとして紺のハイソックスを打ち出したらしい。
携帯電話などのネットワーク性のあるものは、増殖のメカニズムでよく使われる。
自分に都合よくできている話には、気をつけなければならない。儲けすぎは禁物、だ。
マイナーリーグの時代に見つけておかないと、メジャーリーガーになってからでは、手が届かないのだ。
市場というものは、本来同質なものの多量な売買を通じて価格が形成されていく場である。
市場はジェネリックな部分しか評価しない。
プレゼン準備の3原則
- 相手が何を求めているかを知る
- 相手に何がわかるかを知る
- 相手が何を知るべきかを知る
プレゼンに必要なものはインパクトである。
モジュール
相手が必ず答えられる質問を返すことを考えよう。
「答えは本人が知っている」という言葉がある。悩んでいるときに、その解決法をいちばんよく知っているのは、実は本人なのだ。悩んでいる人というのは、たいていがすでに答えが出ていて、それに対する処方箋を自分の中でもっているものだ。ただ、それに気づいていない、あるいは気づこうとしていないだけなのである。
少人数のクラスの場合、わざわざ試験などしなくても、出席し続けてきた学生のおよその実力などわかるものだ。
「さくら」に似通った概念に「やらせ」があるが、これは事実を曲げて脚色することを主として指すようだ。
テープリライト
マンションの理論的な収益というのは、将来にわたる家賃収入というのを計算すればわかってくる。
戦略頭脳は、つねに将来が思考のスタート地点だ。
予想屋とはショーである。
読者よ、「必勝法」に惑わされることなかれ。本当の必勝法は、本書に書かれていることだけである。
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