山本七平・良樹『東京・・・・・ニューヨーク 父と息子の往復書簡』日本経済新聞社
ある教授のノートが余りに古びれているので、学生の一人が、そのように古い学説が現在でも意味を持ちうるのか、いまの社会に通用するのかと質問した。そのとき教授は少しも騒がず、「真理は永遠に変らない」と落ち着きはらって言ったそうだ。
歯痛は哲学者でも耐えられぬ(シェイクスピア)
「ありのまま」のあなたとは、あの四十五年以上前に、出征しなければならなかった青年兵士のことだ。
歴史の引用、資料の背後で、わが父よ。あなたの「私」は、ありのままの自分は、あまりに乏しくなっているのではないだろうか?
わが父よ。もう老兵臭い足かけ戦法、論争上の足かけはやめて欲しい。
カントの『純粋理性批判』を戦地へ持っていった私だが、それもほとんど読めなかった。
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