野崎昭弘『詭弁論理学』中公新書
理論として本当に強いのは、実は議論にも何にもなっていない、寅さん流の「押しの一手」ではないかと思う。
寅さんには「もし、かりに」という仮定の話は通用しない。
多少とも論理や常識をふまえて「相手を丸めこむ(あるいはごまかす)」のが「詭弁」である。
権力者が法律を操作して強弁を通したきわめて深刻な例は、朝鮮半島における日本の植民地支配にもみられる。
魔女狩り(ウィッチ・ハンティング)
魔法使いを意味するウィザードという英語は、もとは「偉大な知恵者」という意味であった。
子供の育て方については、・・・家の構造も大いに関係している。
ゲーテはすべてのことをいった。
強弁術の要諦
- 相手のいうことを聞くな。
- 自分の主張に確信を持て。
- 逆らうものは悪魔である(レッテルを利用せよ)。
- 自分のいいたいことを繰り返せ。
- おどし、泣き、またはしゃべりまくること。
クラーク博士のアンビシャス、もとは選挙運動(地位を得るために、歩きまわる)を意味するギリシャ語
詭弁の鍵は、豊富な実例と、大学者の学説の引用である。
欧米の法廷では、証人に「誰がどんなふうに思っていたか」を証言させることはしないそうである。
ふつう「すべての・・・・・は」という文を全(体について何かを)称(する)文といい、これに対して「ある・・・・・は」という文を特称文という。
「ひとつが倒れれば、全文が倒れる」という理屈を、ドミノ理論という。
アナトール・フランスの小説に、十二ひく四はときかれて四と答える少女ロオズ・ブノアがでてくるが、・・・
鏡の作用は、要するに「前後を逆転させる」あるいは「裏返しにする」ことなのである。
« 須田邦裕『面白いほどよく分る 入門・所得税法10話』東京教育情報センター | トップページ | 神原元『ヘイト・スピーチに抗する人びと』新日本出版社 »
「読書論」カテゴリの記事
- 亀井卓也『5Gビジネス』日経文庫(2022.06.21)
- 帝国データバンク情報部『コロナ倒産の真相』日経プレミアムシリーズ(2022.06.21)
- 川合章子『あらすじでわかる中国古典「超」入門』講談社+α新書(2022.06.09)
- 伊藤亜紗編『「利他」とは何か』集英社新書(2022.05.16)
- 神里達博『リスクの正体ー不安の時代を生き抜くために』岩波新書(2021.11.30)
« 須田邦裕『面白いほどよく分る 入門・所得税法10話』東京教育情報センター | トップページ | 神原元『ヘイト・スピーチに抗する人びと』新日本出版社 »
コメント