上杉隆『ニュースをネットで読むと「バカ」になる ソーシャルメディア時代のジャーナリズム論』KKベストセラーズ
いまや世界的に当たり前となっている報道の概念
- ソース(情報源)を可能な範囲で提示すること
- クレジット(引用・参照元)を示すこと
- バイライン(署名)を入れること
- コレクション(訂正欄)を儲けること
- オプエド(反対意見)を掲載すること
ネット空間というものも結局は、従来のマスメディアと同様に日本社会のレベル、日本国民のレベルが規定しているに過ぎないからである。
日本では「キャスター」と「アナウンサー」の区別すら曖昧だ。アナウンサーがキャスターを名乗っている番組も存在する。
新聞があれだけの情報量を入れて、140円くらいで売ることができるのも大量の広告が入っているからだ。
憲法(合衆国憲法修正第一条)で新聞の存在が認められてもいるのだ。
米国では、匿名の意見には社会全体として無視し、実名の意見のみが正当な意見として認められる土壌ができている。
バイラルメディアとは「ウィルスのように感染する」ことを意味するバイラルという言葉が示すように、SNSを介して思わずシェアしたくなるようなコンテンツをまとめたサイトだ。
アメリカには「バズフィード」(BuzzFeed)のような健全なバイラルメディアがあるように、著作権を守った上で、圧倒的な拡散力を示していることから大手メディアも無視できない存在となったサイトもある。
韓国では、個人情報保護法のようなものはなく、つまり韓国政府は合法的に情報を自由に入手できるのである。
スピン・コントロールとは欧米では一般的に行なわれている政治手法であり、政権にとって都合のいい成果などを強調する一方で、不都合な情報は希釈して流すという情報操作のやり方である。
ツイッターがアメリカではマイクロジャーナリズムとして機能したのに対して、日本ではジャーナリズムに入ることなく終わってしまった
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