溝口睦子『アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る』岩波新書
明治憲法は、アマテラスを国家権力の「淵源」をなす神として規定した。
アマテラス以前の皇祖神としてタカミムスヒがあったことを指摘している
「神話」は基本的に無文字社会の産物である。
「日本」という国号も、大宝律令の制定時、すなわち大宝元年にはじめて定められた。
北畠親房の『神皇正統記』をみても、神々の伝承を学ぶのに、『日本書紀』や『旧事本紀』・『古語拾遺』は重んじるべきだとしているが、そのなかに『古事記』は入っていない。
石は、現代人にとっては鉱物、つまり無生物であるが、古代人は生命力をもった存在と考えていた。
国歌「君が代」に、「さざれ石(小さい石)が巌(大きな岩石)になって苔が生えるまで」とあるように、石はむしろ永遠の命を象徴する存在だった。
「海行かば」の歌は本来大伴家の伝承歌である。
タカミムスヒが朝鮮半島系の外来神であることが、支配層の一部の人々にもし認識されていたとしたら、その可能性はあると私は考えるが、この時期最も密接な交流があった隣国統一新羅への対抗意識という側面も浮かんでくる。
アマテラスがこの時座った皇祖神=国家神の椅子は、・・・
アマテラスはやはりどこからみても女神である。
古代の日本では、『万葉集』に詠まれているように、月が男性で、太陽は女性だった。
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