荒井献『イエスとその時代』岩波新書
史料の積み重ねだけで歴史とはならず、史料に対する歴史家の解釈を通して初めて歴史は再現されることを知ってはいる。
歴史家の本領は何と言っても緻密な史料批判にあり、・・・
イエス自身は「最下層の庶民」に属してはいない。
ドイツの代表的新約聖書学者R・ブルトマン
イエスが「洗礼者」と呼ばれたヨハネから洗礼を受けたことの史実性は否定できないであろう。
イエスがローマの皇帝に対する反逆罪に問われ、当時のユダヤ総督ポンティウス・ピラトゥスの命令により、十字架刑に処せられたことの史実性は動かないであろう。
地下にある韓国のキリスト者学生諸氏から私のもとにも送られてきたメッセージの中で、・・・・・イエスの志向するところを的確に言い当てている。
イエス理解の基本は、やはり彼の振舞を現在において追体験することにあることを、私は改めて思い知らされた。
大胆に罪を犯す(ルター)
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