岡和田晃,マーク・ウィンチェスター編『アイヌ民族否定論に抗する』河出書房新社
思想家のフランツ・ファノンが、植民地において「原因は結果である」と言った(『地に呪われたる者』)のもこのためです。「白人であるがゆえに富み、富んでいるがゆえに白人なのだ」と。
「自称シャモ(和人)」
オーストリア=ハンガリー帝国の政治家でヒトラーに感化を与えたと言われるカール・ルエーガーの「誰がユダヤ人であるかは私が決める」というフレーズを思い出します。
民族というのは国籍ではないということも言っておかなければならない。
民族の多様性は大事です。単一民族は危機に弱い。
バラエティがあればあるほど、文化的には強い。文化というのはそういうものです。
学べば学ぶほど、和人がアイヌにしてきたことの無残さに胸をえぐられるような思いがした。
わたしたちは劣っているから差別されるんじゃない。数が少ないからだ。
そもそも、人間に「純血」なんてないだろう。すべての人間は「どこかの馬の骨」である。
当然、大和民族といわれるものだって、大陸や北方系、南方系の人々との混血集団である。「純粋日本人」なんていない。いるという確たる証拠があるならぜひ示してほしい。
本来私たちアイヌは文字を持たない言葉の民である。
チャランケ
人こそ人の鏡
ヴィヴィオルカはこの時期から拡がる新しい差別主義を「差異のレイシズム」と呼んでいる。
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