バーン&ボニー・ブーロー『売春の社会史 上 古代オリエントから現代まで』ちくま学芸文庫
姦通は、エンゲルスによれば、私有財産がおもんじられる社会に特有のものであるという。そして、売春もそうだった。
売春のことは聖書にひんぱんに出てくるし、売春婦はユダヤ教経典でひとつの定められた社会的地位をもっていた。
ポルノグラフィーという言葉は、もともと「売春婦についての記述」という意味のギリシア語からきている。
われわれが用いているプロスティテューテ
大きな文化的勢力となったものはすべてそうだが、キリスト教も、すでに存在していた諸基盤のうえに成り立ったものである。
娼妓だったマグダラのマリアは、・・・
キリスト教の伝統においてマグダラのマリアが、イエスの生母マリアに次いで重きをなす女性であるだけに、重要である。イエスの墓が空になっていることを最初に見つけたのは、このマグダラのマリアである。また彼女は、イエスの復活の最初の目撃者でもある。
イスラム教の聖典コーランには旧約聖書や新約聖書の登場人物がたくさん出てくる。
イスラム教も、キリスト教やユダヤ教と同じく、きわめて男性中心の宗教であり、・・・
コーランじたいにも、売春についてふれた部分が少なくとも二ヵ所ある。
カルマは本来は「行為」を意味する言葉だが、行為はすべて結果という実を結び、しかもその実は心がけしだいでよくも悪くもなり得るという信念に基づいた思想を表わす。
孔子は女性に関してほとんどなにも書き残さなかった。
プラトン思想で言われる愛は、一般的には男女の愛ではなく、ふたりの男性、あるいは男性と少年のあいだに生まれる、いわゆる同性愛であった。
売春婦でも、その心までは買うことができない。女性は一個の人間である。
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