ダフ・マクドナルド『マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密』ダイヤモンド社
マッキンゼーのコンサルタントは、GMが破産したとき、その場にいた。Kマートが大混乱に陥ったときも、その助言者だった。スイス航空を崩壊に導いた。そしてエンロンという爆弾・・・
彼らの手法は、イエズス会やアメリカ海兵隊、カトリック教会になぞらえられてきた。
韓非が、最初のコンサルタントだと言われている。
マッキンゼーが単なる会社(カンパニー)ではなく、「ザ・ファーム」だったことだ。(筆者注:誤字があった、第2刷)
マッキンゼーのカースト制には、醜い一面があった。ニューヨークに勤務していたコンサルタント、ヘンリー・ゴライトリーは同性愛だとわかったときに追放された。そのときゴライトリーのハンプトン・ビーチの家に泊まっていたトルーマン・カポーティは、私生活が明るみに出て「病気休暇」を取らされた彼にちなんで『ティファニーで朝食を』のヒロインに名前をつけた。
戦略は、「軍隊指導者」という意味のギリシャ語のストラテゴスが起源だ。
チェスター・バーナードが述べた、「戦略的要因」という表現だ。
マッキンゼーはやがて「価値の請求」、つまりサービスの対価と考える料金の請求をはじめた。
五〇年前に定められたもう一つの慣習は、決して顧客リストを明らかにしないことだ。
ハワード・ヒューズをはねつけたと語っている。
1971年、マッキンゼーはイギリス植民地である香港の行政調査を依頼された。
彼らが教えるのは、説得力を持つことだ。
「昇進できなければ去れ」と呼ばれているこの無慈悲なシステムは、二〇世紀初めにクラヴァス、スウェイン・アンド・ムーア法律事務所が始めたもので、そのため「クラヴァス・システム」と呼ばれることもある。
コンサルタントは、情報を持ってきて情報を持ち出す。
「ファイブ・フォース分析」、製品、消費者、供給者、競争相手という昔ながらの材料を使った新しい料理法だ。
これが、やがて有名になる「7S」フレームワークだ。
ある医者が一〇〇〇回手術に成功しても、誰もが覚えているのはメスが滑った一回だ。
ケニー・ボーイ
コンサルタントたちは当時のヒューレット・パッカードCEOカーリー・フィオリーナの実益にならないコンパック買収のアドバイザーとして、九〇〇万ドルを得た。この買収は結局フィオリーナに職を失わせ、会社を混乱させることとなった。
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