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2015年7月24日 (金)

リチャード・P・ルメルト『良い戦略 悪い戦略』日本経済新聞出版社

必要なのは目前の状況に潜む一つか二つの決定的な要素―すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントをみきわめ、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。

戦略策定の肝は、つねに同じである。直面する状況の中から死活的に重要な要素を見つける。そして、企業であればそこに経営資源、すなわち、ヒト、モノ、カネそして行動を集中させる方法を考えることである。

「いま何をすべきか」がはっきりと実現可能な形で示されていない戦略は、欠陥品と言わざるを得ない。

「実行面に問題がある」と嘆く経営者は、たいていは戦略と目標設定を混同している。

戦略とは、組織が前に進むにはどうしたらよいかを示すものである。戦略を立てるとは、組織にとって良いこと、好ましいことをどうやって実現するかを考えることである。

戦略の基本は、最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること、別の言い方をするなら、最も効果の上がりそうなところに最強の武器を投じることである。

本物の専門知識や知見の特徴は、複雑なことをわかりやすく説明できることになる。これに対して悪い戦略の特徴は、わかりきったことを必要以上に複雑に見せかける。中身のないことを厚化粧で覆い隠しているのである。

国防総省も独立空軍も中央情報局(CIA)も国家安全保障会議(NSC)も、北大西洋条約機構(NATO)も、じつはアイゼンハワー時代に新たにつくられたものである。

良い戦略は、十分な根拠に立脚したしっかりした基本構造を持っており、一貫した行動に直結する。

良い戦略とは「何をやるか」を示すだけでなく、「なぜやるのか」「どうやるのか」を示すものであるべきだ。

人類史上最も壮大な社会実験を通じて二〇世紀が残した教訓の一つは、中央統制型経済はおそろしく非効率だ、ということである。

有能なストラテジストがやっていることは決定ではなく設計であり、選択肢の中から選ぶのではなく自らデザインしている。

戦略的リソースと言えるのは、その会社が長い時間をかけて築き上げたり、独自の手法で創造したり発見したりした息の長いリソースであり、他社にはおいそれとまねのできないものである。

古典的な軍事戦略では、防御側は高地をとるのがよいとされている。

慣性とエントロピーは、戦略にとって重要な意味を持つ。

組織にとって最大の問題は外からやってくる脅威ではなく、身の内にあるエントロピーと慣性である。

どんなによくできた戦略も、組織に根を下ろした文化に阻まれたら役に立たないという苦い教訓を私は学んだ。

良い戦略とは、こうすればうまくいくはずだ、という仮説にほかならない。

アダム・スミスは、ブリティッシュ・コーヒーハウス(ロンドンに住むスコットランド人思想家のたまり場だった)で『国富論』を書きあげた

重要であって、かつ実行可能なことのリストを作るように、とテイラーは助言したのである。

戦略的になるということは、近視眼的傾向を克服することである。

あくまでも事実に基づいて、産業構造やトレンド、競争相手の行動や反応、自社の能力やリソースを観察し、自分の先入観や思い込みをなくしていく。そう、戦略的であるとは、近視眼的だった自分から脱皮することだと言えよう。

良い戦略とは「一点豪華主義」

株価には将来の予想利益が織り込まれている、とは昔から言われてきたことである。

戦略策定の要諦はカーネル(診断、基本方針、行動)にあり。

気に入った箇所には小さなスマイルマークを書き込んでくれたものである。

マーシャルプランの落とし子である経済協力開発機構(OECD)

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