クリフォード・アレン『健康な精神のために 異常心理の発見』角川選書
私たちがまず第一にしなければならぬことは、精神病患者が言うことを理解することであり、次に彼らが言わないこと、彼らの思考の奥にひそんでいることを理解することである。
私たちがおたがいの国語(あるいは一つの世界語)を理解できさえすれば、人間は皆同じようなことを考えていることがわかるだろう。
フロイトのあのすばらしい諸発見の前にはブロディやジャネなど多くの人の地ならしがあった。
催眠術は主観的な状態であるといえる。催眠術にかかるわけは、・・・むしろ被術者に生じた精神異常状態が催眠術にかかる原因なのである。
私たちは意識の主塊から解離された小さなカケラを持つ場合があり、このカケラをユングは「コンプレックス」と名付けた。このコンプレックスというものは、ひとつのまたは一群の考えとある情動とが結合したものにほかならない。
自由連想法・・・患者は長椅子に横たわり、患者が話しつづけるあいだ、医師は患者の頭の方の椅子に腰かける。
書き損ないは、言い損ないとよく似ている。
フロイトに反対しようとするなら、フロイトの発見のほんの一部でも認めてはだめである。というのは一部が他部としっかり組み合っているので、もし一つのことを正しいと認めると、彼の考え全体が正しいのだと認めざるをえないことになってしまう。
人類の尊厳に最大のショックを与えた発見
- 地球が太陽の周りをまわっているのだというガリレオの説
- ダーウィンの進化論の発見
- 無意識の本体を明らかにしたこと
少女たちが姉に対してよりも大きな憎しみを抱くただ一人の人物、それは母親である(バーナード・ショオ)。
フロイトは約四〇年のあいだ一日八時間から一〇時間も患者たちの無意識を研究したことを忘れてはならない。フロイトを批評する前に、自分にはどれだけの経験があるかを反省したいものである。
フロイトの発見の本質的な部分は自由連想であることを見てきた。
国民的、民族的傾向があるというのも真実であるし、家系によって精神病や天才など異常な精神に強い優性がみられるのも間違いのない事実である。
イギリスのエリザベス女王、キャサリン王妃、スウェーデンの女王クリスティーナは皆同性愛の要素を持っている。
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