山田修『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略 9割の経営者が勘違いしている!』ぱる出版
マッキンゼー社のように経営戦略を専門分野としているコンサルティング会社のことを「戦略ブティック」と呼ぶことがあります。戦略ブティックでは自社のエクセレンスを誇示するために、専門書や啓蒙書、あるいはコンサルティング技法を活発に発表しています。
柳井社長は復帰してからは、太閤秀吉の途を歩んでいる。
富士フイルムのようにそれまでの本業(銀塩フィルム)の分野から大きく離れて多角化や業態換えをすることを、「転地セオリー」とこのごろの経営学者が名付けています。
経営戦略の立案というのは、企業の盛衰を決定する重要な行動なので、経営責任者自身あるいは少なくとも経営者を中心とした少数のマネジャーたちによって立案されなければなりません。
顧客満足度最大化戦略がいつも絶対ではない。
シャープの場合は、顧客満足戦略は企業戦略の中で大した意味を持ち得なかった、と言わざるを得ません。シャープの苦境を招いたのは主要製品の選択戦略、投資戦略、撤退戦略の不調・不出動などによるものといえます。
「走りながら考える」という戦略立案を「創発的戦略」
私に言わせれば、ブルー・オーシャン戦略というのは初めから論理破綻したセオリーです。
特に「不」のつく言葉を探せ
フレームワークの要件
- 有用性がある
- 図示できる
- 語呂合わせができる
- 権威づけができる
- 認知限界の範囲でおさまる
マッキンゼーとA・T・カーニーは、奇しくも同じ年1926年に設立されています。
PPMはですから「金のなる木」プロジェクトが出してくれるキャッシュを「問題児」に廻して「花形」に育てろ、という事業入れ替え戦略なのです。
実際マッキンゼーがGEのために開発したのがPIMS(Profit Impact of Market Strategies:市場戦略の収益影響度分析)という手法です。別名を、GEグリッドとか、GEのビジネス・スクリーンとも呼ばれます。
コスト・リーダーシップ戦略→プライス・リーダーシップ戦略
経営セオリーには流行りがある。
ジャック・ウェルチにも影響を与えたのがモルトケでした。
欧米由来の経営戦略セオリーというのは、実は皆―あるいは殆ど―「世界制覇戦略」なわけです。
近年の欧米の経営学では、ひとつの論文でできるだけ多くの会社事例をカバーする統計分析の手法が完全な主流となっています。
フレームワークは分析ツール、戦略ではない。
経営戦略の時間枠は3年
中期経営計画を策定している会社では、毎年それを見直して「次の3年」の計画を立て直すところもあります。このやり方を「ローリング改訂」と呼びます。
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