橋川文三『ナショナリズム その神話と論理』紀伊國屋新書
日本語の場合でいえば、ネーションを「国家」と訳すか、「民族」「人民」「国民」とするかは、それぞれの場合に応じて、慎重な配慮を必要とする。
ドイツでは、ナチオナルという語は、英語よりもはるかに感情的な言葉である。ナチオンという語は、ドイツ人の心の中に、自己の国家をもった、強力で高度に文明化された偉大な民族という印象をよびおこす。
ナショナリズムの実践的形態をはじめて展開したのがフランス革命であり、直接にその理念を提示したのがルソーであったという通説にしたがい、・・・
一般意志はルソーの国家哲学の根本概念である。
松蔭の人間論を具体的に示すものとして、その女性観がよく引き合いに出される。
松蔭が経学よりも歴史にひかれた
宣長の国学は、よくいわれるようにその極度に洗練された主情主義(=もののあわれ)と非規範主義のために、実践的・行動的性格には欠けていたとされる。
玄洋社のような日本右翼運動の源流が、そのはじめは自由民権の主張をもって結成された・・・
北一輝の場合のように、天皇を国民の意志の傀儡とする道しかなかったからである。
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