森嶋通夫『イギリスと日本-その教育と経済-』岩波新書
このような長期停滞は、ヒットラーのおかげでやっと終息しました。もし第二次大戦がおこっていなかったならば、イギリスはもっと長い間不況に悩まなければならなかったでしょう。
イギリス人がナチズムに対して頑強に戦ったのは、寛容な社会を保存するためであって、したがって、戦争中につくられた戦意高揚映画の多くは、ナチス国家との対比で英国における自由を非常に強調しております。
捕虜たちが工夫をこらし、危険を冒して次々と脱走して行く物語は、イギリス人のもっとも誇らしい戦争中の思い出の一つであります。
イギリスはご承知のように慣習法の国であります。慣習として受け入れられるようになりますと、法律になってしまいます。
郵便と鉄道はイギリスから輸入しました。
大学の場合は、日本はアメリカ式であって、・・・
日本陸軍はフランスないしドイツから輸入されましたが、帝国海軍は、ロイヤル・ネイビーの完全なコピーでありました。
・・・・・それらのほとんど全部がイギリス海軍のユニフォームの模倣
日本で旧制高校に入学した途端に、子どもが急に大人ぽくなったように、イギリスでもシックスズ・フォームに入れば生活が激変します。先生は生徒を大人としてあつかい、生徒は自由に振舞えるようになります。
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