高橋正衛『昭和の軍閥』中公新書
第一次大戦がもたらした画期的なものは、総力戦という概念であり、・・・
明治生まれの軍人は、期と生年とが一致するということである。
幼年学校、陸士の優等生には天皇より時計、陸大の優等生(通常一期で五人)には軍刀が下腸される。
なお血盟団という名称は、この事件の主任検事であった木内曽益がつけたものである。
宇垣にかぎらず陸軍では、現役か否かが決定的な力のちがいとなる。
統制派は、究極のところ、組織による改革、最後はヒトラーの授権法的政権獲得をめざしているのにたいし、皇道派は直接行動による改革に重点をおくといってもいい。
昭和七年という日本の情況は、たとえこの一節を含むものでも、「三二テーゼ」は、治安維持法の存在を自覚し、特高の拷問を覚悟し、また一家の破壊をも覚悟し、死刑さえも覚悟してまで運動をつづけた人々にとっては、立派な指針であったのであろう。
« 茅野良男『歴史のみかた』紀伊國屋新書 | トップページ | 福田歓一『近代の政治思想 -その現実的・理論的諸前提-』岩波新書 »
「歴史」カテゴリの記事
- 文藝春秋編『世界史の新常識』文春新書(2024.02.01)
- 磯田道史『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』NHK出版新書(2023.06.18)
- ジュディス・S・ニューマン『アウシュヴィッツの地獄に生きて』朝日文庫(2023.01.29)
- 関眞興『30の戦いからよむ世界史 上』日経ビジネス人文庫(2022.08.02)
- 竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』PHP文庫(2022.07.12)
« 茅野良男『歴史のみかた』紀伊國屋新書 | トップページ | 福田歓一『近代の政治思想 -その現実的・理論的諸前提-』岩波新書 »
コメント