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2016年2月15日 (月)

田中克彦『ことばと国家』岩波新書

言語学者が、政治的な顧慮を加えたうえでもなお中国語とは呼べずシナ語と呼ばざるを得ないのは、ことばを国家という政治単位ではなく、民族の単位に従って呼ばねばならないという科学の要求にもとづくものだ。

我々は一人残らず、始めて日本語を学んだのは母からであった。

イタリア中部、ティレニア海にのぞむ西海岸には、ラティウム、今日ではイタリア語でラツィオと呼ばれる地方があるが、この地方にいた一部族の話していた言語を指してラテン語と言った。

ことばがくずれていくのは、それが生きている証拠である。生きていくためには変化しなければんらない。死んだことばは決してくずれず、乱れることがないのである。

歴史的にみれば、話しことばは必ず書きことばに先行している。

ジャルゴンとは、時代によって地域によって用法はちがうが、くずれた下品なことば、ことばと呼ぶにあたいしない、まともでないことばを指すための蔑称であって、・・・

マルクス主義が、民族と国家との問題について具体的に対処しなければならなかったのは、十九世紀の、オーストリア・ハンガリーの多民族複合帝国においてだった。

「くずれたドイツ語」しか使えないユダヤ人には、したがって文化や歴史を作っていく力もないので、かれらは「歴史なき民族」と呼ばれた。

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