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2016年3月29日 (火)

齋藤孝『日本人は何を考えてきたのか 日本の思想1300年を読みなおす』祥伝社

私は、「日本人とは日本語を母語としている人」と答えます。

実際ブッダは、美人を紹介されてこの女生と結婚しなさいと言われたとき、「これはただの糞尿の塊にすぎない」と言って美女を退けたと言われています。

ブッダが現われる以前から、インドにはウパニシャッドと呼ばれる宇宙の解明を目指す哲学がありました。そこでは、この世界は宇宙の統一原理であるブラフマンそのものであり、個人であるアートマン(我)がどのようにしてブラフマンと一体化するかということが課題として論じられています。

漱石はロンドンの下宿で、こんなに西洋人にばかにされるのはうんざりだ、自分は英文学を勉強しているけれど、もうこれからは自分の理論でやらせてもらう、とある意味開き直ったのです。

「維新」と言いますが、その実態は「王政復古の大号令」なので、新しくなったというよりも「復古」だったのです。

本居宣長は、『源氏物語』を通して「もののあはれ」というものを見いだします。それは彼の師である賀茂真淵が、『万葉集』の研究を通して発見した日本人の精神の強さ「ますらおぶり」に次ぐ大和心の発見でした。

「もののあはれ」とは、ごく簡単に言うと、日本人の持つ「はかないものを愛するやさしい気持ち」です。

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