牟田学『幾代もの繁栄を築くオーナー社長業』日本経営合理化協会出版局
事業は、たった一人の社長によって栄え、たった一人の社長いかんで亡びるものである。
本当の財産とは、どんな時代になっても、危機や変化を乗り切ることができる手腕を身につけさせることに他ならない。
先見力は、事業家にとって欠かせない大事である。
時流は、まず捉えるべき第一の旗である。
現実の経営で類型的な事象が幾度となく起こって、はじめて学問体系を成すのが経営学である。
事業は、独立して採算に乗ることが、最初の大事な課題である。
借金は、年商の三分の一を超えてはならない。
ほとんど、人の才能は、意識の差だけであると思う。
一つのことを、長く持続して、集中的に念じ込むこと。
窮地を脱するすばらしい戦略や、工夫や、知恵は、いつでもそういう目的意識を集中している人からしか生まれない。
事業経営に関しては、偶然は駄目である。偶然では、次の成功の約束が出来ないからだ。必然こそ永い繁栄と幾度もの成功を決定する鍵である。
吉田松蔭も、渡辺崋山も、西郷も、みんな佐藤一斎の流れを汲んでいる。
値段を自分で決められない事業が儲かったことなどない。
市場の規模と事業の規模とは、非常に密接な関係にあるからだ。
給料は業績に応じて与え、地位はその人物を見極めて、見識があってはじめて与えるようにする、こういうことは、今も昔も変えてはならない。
長たる者の理想は、父親の強さと母親の優しさを兼備することだ。
事業を繁栄させるには、思想と技術の両面が重要であることを肝に銘じて欲しい。
目標とは、思想や哲学から発した事業経営の目的を具体的な数値に置き換えたものである。
借金の元金返済は、最終的に内部留保金で払う。
息子を社長にした途端に、辞令はすべて最初からやり直す。
借金は、年商の三分の一を越えては絶対にいけない。
なるべく金を大きく一行に集めていくようにする。それは、信用をつけるためである。
人間の情は、有史以来、少しも変わっていないからだ。
優秀でなければ、同族といえども地位にはつけないのが正しい配慮である。
いまの世の中では、感性が豊かでない人はだめである。
男は、知性的である。つまり、理屈が中心になっている。・・・・・ほとんどの女は、感性、つまり好きとか嫌いとかが中心で物事を判断する。
人間の本質は、五千年も前から少しも変化していない。つまり、人間的要素は変化しない。
文化は、「不変」をテーマにしている。・・・・・文明は、科学が中心である。
土地は利回りと資産価値の二つの観点から見る。
才能がどんなに備わっていても、徳には全くかなわない。
言葉は、使いようによっては、人を活かしも殺しもする。
金を貸したら、上げたと思え。
出来の悪い息子は替えようがないが、娘婿は選ぶことができる。
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