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2016年7月 8日 (金)

小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】』東洋経済新報社

最優先すべきは、なんと言っても、短期的に倒産する懸念がないかどうかを見抜くことです。

「企業は負債が返済できなくなって倒産する」と書きましたが、正確には、流動負債が返済できなくなって倒産するのです。

第一優先順位はなんと言っても、手元流動性。

1ヵ月分くらいの手元流動性があれば、自社が資金ショートを起こすことを避けられるのです。

利益剰余金は利益の蓄積であって、資金の蓄積ではない。

会社の実力は「安全性→収益性→成長性」の順に見る。

銀行の最大の資産は、貸出金。

安全性という観点からは、いざというときにあくまでも「売れる」資産をどれだけ持っているかが重要なのです。

銀行員や会計士が貸借対照表で騙されるポイント

  1. 売掛金
  2. たな卸資産
  3. 長期借入金(1年以内長期借入金の省略)

売上高を見る時には在庫の増加を必ずチェックする。

製造業の場合には、・・・・・売上総利益と付加価値は一致しません。付加価値のほうが大きくなります。

増収増益でも、増益率のほうが小さいとすれば、設備投資を行って固定費が増加した、資源高などで変動費率が上がったなど、これまでとコスト構造が変わっている可能性があるなどの理由が考えられます。もし、みなさんが企業経営者なら、増収増益で、増益率が増収率よりも小さい場合には、その理由を分析した上で、銀行などに説明したほうがよいでしょう。単に、増収増益だと喜んでいるだけでは、ダメなのです。常に、コスト構造を分析していることが大切です。

全体の成績が良い、あるいは、平均値が良いからといって、必ずしもその会社に問題がないということにはならない。

減価償却費(固定資産価値の目減り分)と有形固定資産の純額での増加額(設備投資等)を比べることにより、その会社の投資のスタンスが分かる。

「有形固定資産等の取得による支出」と「有形固定資産等の売却による収入」の差額が、純額での主に設備投資を表しますから、これがそれらの目減り額である「減価償却費」よりも多いかどうかをまずチェックします。

売上高が落ちているときの在庫増は要注意です。

キャッシュフローの実力値=当期純利益+減価償却費

会社の値段=(EBITDA × X倍)-ネット有利子負債・・・・・(EBITDAのX倍)が(将来のキャッシュフローの類推)であると考えても構わないでしょう。「X倍」が実際に何倍になるかは、M&Aの市場の活発さによります。

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