鷲田清一『哲学の使い方』岩波新書
経営においてこれだけはゆるがせにできない、これを外したらこの会社でなくなるといった社是(コーポレイト・アイデンティティ)を貫いているのであれば、その企業には哲学があるということになる。
哲学は何から始めるべきか。これが多くの哲学者が最初にこだわる問題
胃の存在はふだんは意識されることはないが、胃がうまく機能しなくなるとはじめてその存在が意識に上ってくる。
哲学は、何かについて何ごとかを語るときに、同時に、その語りがどういう場所からなされているのか、またどのような権利根拠があってなされているのかということを、厳しく問う学問である。
ほんとうのプロというのは他のプロとうまく共同作業できる人のことであり、・・・
・・・そのために他のプロの発言にもきちんと耳を傾けることのできる人だということになる。
一つのことしかできないというのは、プロフェッショナルではなく、たんにスペシャリスト
アカデミズム内部での「哲学研究」に身を縮めていったこの国の哲学は、文献を「読む」ことに傾注し、時代を「みる」(視・診・看)ことをなかば放棄してきた。
イデオロギーとは「だれも正面きって反対できない思想」のことである。
専門家への信頼の根はいつの時代も、学者がその知性をじぶんの利益のために使っていないというところにある。
« 牟田学『幾代もの繁栄を築くオーナー社長業』日本経営合理化協会出版局 | トップページ | 岡田暁生『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』中公新書 »
「哲学」カテゴリの記事
- 大澤真幸『この世界の問い方 普遍的な正義と資本主義の行方』朝日新書(2023.02.04)
- マルクス・ガブリエル他『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』集英社新書(2023.01.19)
- 細谷貞雄編『世界の思想家24 ハイデッガー』平凡社(2022.06.17)
- 大井正・寺沢恒信『世界十五大哲学』PHP文庫(2021.12.13)
- 佐藤優『思考法 教養講座「歴史とは何か」』角川新書(2021.01.16)
« 牟田学『幾代もの繁栄を築くオーナー社長業』日本経営合理化協会出版局 | トップページ | 岡田暁生『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』中公新書 »
コメント