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2016年10月 5日 (水)

吉川洋『人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長』中公新書

ヨーロッパでは19世紀の終わりから人口減少の傾向がはっきりとしてきた。これはマルサスの「人口の原理」に反する。1人当たりの所得が上昇すると、子どもの数が増え、人口は増大する。これこそが「人口の原理」である。マルサスにインスピレーションを得たダーウィンの『種の起源』以来、生物の世界でも、食料が増えれば生物の数は増えるというのが常識だ。ところが人間の社会では、所得水準が高い国々で人口が減り始めたのである。それと並行して、かつてマルサスが強く否定した著しい寿命の延びが始まった。

人口にしても寿命にしても、それに大きな影響を与えるのは「1人当たり」の所得である。

すでに古代ギリシアの哲学者プラトン、アリストテレスの著作に人口制限の必要が説かれている。

マルサスにとって生涯の論敵となったデイビッド・リカードは、まさに「自由貿易」がイギリスにもたらす利益を説いた。

Pの悪魔、Uの悪魔

・・・・・今から200年以上前、ナポレオン戦争の頃に活躍したイギリスの経済学者デイビッド・リカードによって論じられた。アダム・スミスから始まる「古典派経済学」を完成した大経済学者リカードは、『人口論』のマルサスと長年論争を繰り返した人でもあった。

ジニ係数

ケインズも生涯「利子率の力」を重視した。

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