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2016年11月

2016年11月30日 (水)

原田勉『イノベーションを巻き起こす「ダイナミック組織」戦略』日本実業出版社

競争優位とは、競合他社と比較した超過利益率のことを意味する。理論的には、「価格-コスト」という基本利益単位において比較対象となるべき競合他社よりも上回っている場合、その企業は競争優位を獲得していることになる。

ポーターは競争優位をabove average returnsと言い換えている。すなわち、平均的な利益率を上回ることを指す。したがって、市場シェアや売上額、利益額などは競争優位を示す指標にはならない。

ポーターの競争戦略論は、時間割引率がきわめて高い企業ないしはその利害関係者にとっては、非常に有益なフレームワークとなる。

企業組織は明らかに機能集団でありゲゼルシャフトである。

家族は目的を達成するための手段でもなければ利害関係のみから構成されるものでもない。そこでは目的達成ではなく、一体感、帰属意識が重視されるのである。テンニースはこのような共同体を「ゲマインシャフト」と名づけた。

欧米社会では、企業とはゲゼルシャフトであり、ゲマインシャフト、すなわち共同体ではない。

米国では共同体は家族であって、所属する企業はゲゼルシャフトであり生活の手段にすぎない。それとは対照的に日本では、家族だけではなく企業もまた共同体であり、ビジネスパーソンは二つの共同体に属していることになる。

整理とは「捨てること=戦略」であり、整頓とは「そろえること=戦術」だという。したがって、モノの整理整頓は、業務の客観的かつ体系的な把握や業務マネジメントへとつながっていく。

イノベーションは偶然の結果として生じた場合が大半だということだ。

イノベーション戦略は、行動の範囲、すなわちドメインを規定するものであり、行動の中身に言及するものではない。

芝蘭友『死ぬまでに一度は読みたい ビジネス名著280の言葉』かんき出版

組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。天才に頼ることはできない。天才はまれである。

町おこしやイノベーションが生まれる現場にはたいてい3種類の人間がいるといわれる。よく知られているのは、「よそ者」「若者」「バカ者」である。違う業界の視点を取りいれられる者、古いしきたりや枠を取り外して動ける者、ひたすら真剣に打ち込める者である。

人は厳しく損益を問われない限り、経営者として育つことはない。

かつて「難問は分解せよ」と哲学者のデカルトは言ったが、問題解決とは分解することである。

ジョエル・パーカー『パラダイムの魔力』はパラダイム・シフトを起こす人間を4タイプに分けている。1つ目は研修を終えたばかりの新人、2つ目は違う分野から来た経験豊富な人、3つ目は一匹狼、4つ目はよろずいじくりまわし屋である。

2016年11月28日 (月)

堀内智彦『2時間でわかる 図解KPIマネジメント入門』あさ出版

本書は、著書を通じての私の大師匠、堀内智彦先生の最新刊、渾身の一書だ。以下は、私の読書ノート。

 

KPIKGI

本書はKPI」(Key Performance Indicator訳すと重要業績評価指標についての本だ。

KPIとは、著者の定義によると、「目標達成度を測るためのプロセスないし結果の指標」。

なぜ、このKPIが注目されているのか。それは「全社員が経営目標を共有して業績回復に努める」ことが必要だからだ。

さてさて読者の皆さん、KPIはとりあえず置いといて、KGI」(Key Goal Indicatorってのがある。

KGIとは、重要目標達成指標。「Goal」という言葉が入っているように、経営の最終目標が達成されているかを計測するための指標。ROEReturn on Equity)なんか、まさにこれ。

これに対して、設定した経営目標に対して、どのような過程を通過すれば達成可能かを洗い出し、その過程をクリアできているか数値で計測するのがKPIだ。

つまり、スタート➡KPI(プロセス)➡KGI(ゴール) の流れね。KGIに到達するための過程として設定されるのがKPIだ。

まとめると、KGIは「ROE=株主・投資家から見た結果目標」、KPIは「経営者・経営管理者から見た結果及びプロセス目標」

 

KPIはトップダウン型で

KPIを設定するにあたって、なぜ、ボトムアップ型ではなく、トップダウン型でなければいけないか。ここは重要だ。

ええい、筆者はネタバレはしないよ。

 

KPIマネジメントとは

KPIマネジメント」とは、会社の目標達成度を測るための指標であるKPIを、部門別、個人別に設定し、マネジメントサイクルを回すことだ。

まず会計の話。【当期首BS(資本)】➡【「当期PL」プロセス→マネジメント→利益】➡【期末BS(資本)】、

この循環は会計をかじったことのある読者ならおわかりであろう。

KPIの本質とは、期末BS(資本)を「マネジメントプロセス」にインプットすることにより、経営資本を間接的に人的資源に投資し、ヒトのパフォーマンスを上げて利益を生むPLを創り出す、この好循環を構築することだ。

現実的に、マネジメントプロセスにおいて、実際に働いているヒトにパフォーマンスを上げてもらわないと、会社は利益を出すことができない。そこで登場するのが、「人件費投資効率」、すなわち「ROH」(Return On HInvestment for Human))ってものだ。式にすると、限界利益/人件費。この指標が〇〇〇%(ネタバレはしない)超であることが、企業継続の必須条件だ。これを達成することがマネジメントの目的であり、その具体的方法論として「KPIマネジメント」が必要とされる。

 

KPIマネジメントのキーワード

本書ではキーワードとして、①限界利益②機会損失③人件費コスト④適正人員⑤直間比率を挙げている。これらを定量化することは、ヒトのパフォーマンスを改善することによって利益の最大化を目的とするプロセスマネジメント、すなわちKPIマネジメントにとって、必要不可欠な視点だ。以下、ポイントをメモしておこう。

①限界利益

この限界利益率、業種によって、おおよその傾向がある。その一例として、〇〇が参考になる。なるほど!これは気づかなかった。ネタバレはしない。

②機会損失

マネジメントの最大の敵、それはムダ(ミス)だ。「シックスシグマ」というマネジメントツールでは、企業のすべてのプロセスにおいて発生するミスを積算すると年商の10%以上に達するといわれる。企業のムダには「実際損失と機会損失」という2種類がある。実際損失は、クレーム処理費用とか。本書は、機会損失も定量化しようとする。

③人件費コスト

ここで登場するのが、「〇秒=〇円」という考え方。本書を参考にされたい。

④適正人員

適正人員の求め方について詳しく説明している。

⑤直間比率

直間比率、つまり直接部門と間接部門の比率。これは絶対的な指標はないが、〇〇〇〇〇から逆算するとその答えが見えてくる。

 

KPIマネジメント導入・運用で成功する4つのポイント

ポイント①トップダウンであること。

a)予算を分解してトップダウンで落とす

 

ポイント②定量化されたものであること。

a)目標は必ず定量化する

・目標値は定量化されているだけではダメ。等号、不等号の判定基準があること。

・定量化できないテーマはない。

b)機会損失防止、実際損失防止、売上・利益伸長の目標を設定する

c)月次の定量化で人事考課にも活用できる

・「KPIテーマ」を適切に毎月設定し、目標値を定量化することができれば、結果は毎月自動的に出るため、「考課者訓練」のようなものが一切不要になる。

 

ポイント③業績向上に連動するものであること。

a)売上、変動費、限界利益、固定費、営業利益と必ず連動させる

P75の「KPIマネジメントのテーマ関連図」は、著者の奥義、マネジメント・ウエッブではないか。より詳しく知りたい方は、本ブログの参考文献を見られたい。

b)目標設定の具体的手順

KPIマネジメントの成功において最も重要なことは、「結果目標とプロセス目標」とは、その影響の大小はあれど、常につながっていて連動するということです。

KPIとは、このように計画を立て、毎日、毎週、毎月、過去そして将来にわたってチェックして改善するものです。まさにマネジメントサイクル(PDCA)の実践なのです。

c)結果をプロセスに連動させる

 

ポイント④毎月フォローアップを確実にすること。

a)毎月集計・評価を行う

・業績向上につながるKPIを運用するためには、あくまでもこれを月次決算と連動させることが必要です。

b)「敗者復活制度」をつくる

c)原因分析と改善はどうやって行うか

 

マネジメントを成功に導く7ステップ

マネジメントとは、「企業利益を生み出すために、与えられた経営資源(ヒト・モノ・カネ)をうまくやりくりする方法論」だ。その目的は、次の2つに集約される。

①業績を確保し、会社を継続させ、雇用を守ること―会社及び従業員目線からの目的

②顧客満足、成果配分を通じて社会の公器として貢献すること―投資家(株主)や社会からの要請

そして、この目的を達成するために、以下の7つのステップを実行していく。

【ステップ1】経営資源である、ヒト・モノ・カネを、地盤にしっかり打ちつけます。

【ステップ2】全従業員が8S(整理、整頓他)を徹底して、土台を強固にします。

【ステップ3】スキルの方程式=「目標×スキル×プロセス×やる気」を実践します。全従業員が目標(KPI)を持ち、スキルアップを実践し、プロセスを改善し続けます。そしてモチベーションとしてやる気の出る評価制度を構築します。

【ステップ4】顧客満足の3要素(Q:品質、C:原価、D:納期)という柱を立てます。

【ステップ5】知識を行動に変えることで、良質な商品・サービスを提供して顧客満足を獲得し続けます。

【ステップ6】顧客満足は企業利益をもたらし、その利益は、納税・配当・内部留保・決算賞与・再投資などの原資となります。

【ステップ7】継続的改善を繰り返します。

 

この7つのステップを実行し、成果を上げていくうえで鍵になるのがKPIテーマの設定だ。このテーマは、それ自体が単独で存在するものでなく、あくまでも、

●全社テーマ→部門別・階層別テーマ→個人別テーマ、というトップダウンで連動して設定されるものであり、そのうえで、

●個人別テーマ達成→部門別・階層別テーマ達成→全社テーマ達成、というボトムアップで結果が連動していく構造であることを、今一度確認して、部門そして個人のテーマを設定することが必要だ。(P109の図は秀逸)。

感想

本書の書名は、2時間でわかる図解KPIマネジメント入門。ちなみに、私はさらっと通読で15分。この読書ノートを書くのに要した時間は、約4時間。2時間集中して読めば、十分にKPIマネジメントの基本について理解できる内容だ。類書の堅苦しいKPIについての書物よりも、よりわかりやすい本書。ぜひとも、読者の皆様にお勧めしたい!

参考文献

堀内智彦『アナタの会社の埋蔵金(ムダ)を利益に変える本』BTブックス日刊工業新聞社

堀内智彦『実践!原価管理 事例でわかるコストマネジメントのツボ!』秀和システム

 

2016年11月14日 (月)

田中弘『GDPも純利益も悪徳で栄える―「賢者の会計学」と「愚者の会計学」』税務経理協会

フランスの会計は統制経済のための会計です。ドイツの会計はコンツェルンの会計なので、管理会計です。私たちが普段やっている「投資家のための会計」に向いた会計基準はアメリカと日本とイギリスでしか作れないのです。他の国は作った経験が少ないのです。

イギリスがEUから離脱して一番悩ましいのは、たぶん、フランスです。これまではドイツの独断専横をイギリスが押さえてきた経緯がありますが、イギリスが離脱するとなると、EU二七か国は、軍事的にも経済的にも政治的にもドイツの支配下に置かれるようなものです。

フランスは農業国ですから、資本市場を前提にした会計基準は作れないでしょう。

特に最近ではROE経営という経営手法もあります。ボトムラインで経営をやるというものです。ボトムラインで経営をやると、何が起きるか。それは「上からだんだんダメになる」ことです。つまり、最初に下を決めてしまうと、あとはそれに合わせて上を調整するしかないのです。

GDPの計算でも有価証券の売却益はGDPに入れません。企業の付加価値の計算でも株の売却益は除外します。

イギリス、アイルランド、イタリアの国々ではGDPに売春、麻薬といった違法取引も含めるようにしています。イタリアは密輸もGDPに含めてしまっています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンが「優先順位」としてつけた、「顧客」「仕入れ先」「従業員」「社会」「株主」という順番は、奇しくも、損益計算書の書き順とまったく同じ順番なのである。

株式価値=資本合計(OBたちを含めた過去の頑張り)+現役たちの今期の頑張り+中長期の頑張り(経営者の頑張り)

ROEは「率」であって「量」を語らない。

企業会計原則では、「区別」を「会計処理」に使い、「区分」を「表示」に使っている。

誇りを持って「これが会計のルールです」と言えるものが、残念ながら会計には非常に少ない。誇りを持って言えるとすれば、例えば、「一致の原則」とか「貸借対照表=連結環」論、「投下資本の回収余剰としての利益の計算」、「期間損益計算の原則」、「実現主義」、「貸借平均の原理」などであろうが、いずれも、国際会計基準の世界では否定されようとしている。

ルールというものは、法律にしろ会計基準にしろ、新しいことを始めるためか、これまでのことを変える(やめさせる)ために設定される。アメリカの時価会計基準は、中小の金融機関(S&L)に原価会計を悪用した経理を「やめあせるために」作った基準であるし、同じアメリカの減損会計基準は、経営が悪化したアメリカ企業がV字回復を演出するために減損処理を悪用したことから、そうした経理を「やめさせるために」設定されたものである。

2016年11月10日 (木)

齋藤孝『大人のための読書の全技術』KADOKAWA

テレビやインターネットで知識を学んでも、残念ながら読書で得られるような、「体系だった使える知識」は得られません。

「テキスト論」という考え方があります。「作品は作者のものじゃない。読者のものなんだ」という考え方です。「読者が解釈することによってはじめて作品が意味を持つ。その意味は読者が見出すものだ」ということであり、「だからこそ私たちは、作者について全然知らなくても作品を味わうことができるのだ」というわけです。

呼吸法も、精読する際に役立つテクニックです。・・・・・具体的には、三秒間鼻から吸って、二秒止めて、十五秒で口からゆるやかに吐いてください。息を吐いているときに、もっとも集中力が高まります。

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