竹田青嗣『人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義』ちくま新書
ヘーゲルは「近代社会」の理念のもっとも本質的な完成者、マルクスは「近代社会」の現実のもっとも根底的な批判者
宗教の基本方法は「物語=神話」を使う点にある。
錬金術への可能性は、金が合成されえない単一の元素であるという「原理」が見出されることによって終焉する。
ホッブズは王権論者であり、専制を擁護している、暴力を肯定し人間性悪説である。
巨大建造物は、権威、権力、財の集中がなければ不可能だからだ。
ルソーの『社会契約論』が全体主義の理論的源泉となったという意見は、・・・
世界史的には、大きな国家(帝国)の栄えるところ、必ず商業の繁栄が見られる。
近代以前の社会では、善はただ一つ(=真理)でなければならない。キリスト教会が何度も宗教会議を開いたり、アキナスのような学者が巨大な『神学大全』を書いて、教義を統一しようとしたのはそのためだ。
ホッブズが普遍闘争の原理を提示し、ロックが人民主権国家の可能性を示し、ルソーがその思想的「原理」を明示したとき、人類は、およそ一万数千年続いた絶対的支配と隷属の構造から抜け出す「可能性の原理」をはじめてつかんだ。
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