ルソー『エミール(中)』岩波文庫
「どうして子どもはできるの」「女の人はおしっこをするようにして子どもを生むんですよ。それはとても痛くてね、そのために死ぬこともあるんですよ。」・・・・・賢い人は、これ以上に分別のある、目的にかなった解答がほかにみあたるかどうか考えてみるがいい。
容貌は性格を示すものとわたしは考える。
子どもは、喜びと苦しみという、はっきりわかる二つの感情しかもたない。
歴史の大きな欠点の一つは、人間をよい面からよりも、はるかに多く悪い面から描いていることだ。歴史は革命とか大騒動とかいうことがなければ興味がないので、温和な政治が行なわれてなにごともない状態のうちに国民の人口がふえ、国が栄えているあいだは歴史はなにも語らない。
トゥキュディデスは、わたしの考えでは、歴史家の真の模範である。かれは判断せずに事実をつたえている。
人間をいちばんよく知っているのは哲学者ではない。哲学者は哲学の偏見を通して人間をみているにすぎない。あんなに多くの偏見をもっている連中をわたしはほかに知らないと言っていいくらいだ。未開人は哲学者が判断するよりももっと健全にわたしたちを判断している。
人間はいちばん安い品物だ。・・・・・人権はいつでもあらゆる権利のなかでいちばんとるにたりないものだ。
宗教というものをいっさい忘れてしまうとやがては人間の義務を忘れることになる。
宇宙を動かし、万物に秩序をあたえている存在者、この存在者をわたしは神と呼ぶ。
フランス語をよく知るためにはラテン語を学ばなければならない。
勝負ごとは金持ちのする遊びではない。それはなんにもすることがない人間のなぐさみごとだ。
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