田中久夫『社長として断固なすべき6つの仕事』日本経営合理化協会出版局
まずは「絶対赤字を出さない経営」の確認からスタートするべきだと思うのである。
重要なのは、赤字になっても、三年や五年はもちこたえられる体質を持っているかどうかだ。
「確かにそうだ」「よい考えだ」と納得できることがあったら、すぐに実行していただきたい。
たとえ、つたないやり方でも速くやる方が、上手だがのろのろやるよりはいい。
明快な数値で示した「経営のものさし」を持つことである。
事前に「経営のものさし」で異常を見つけて対応すること
経営の原点は「社長と社員のこころを合わせる」ことだと信じている。
経営とは、・・・・・社員をその気にさせ、やるべきことに向かわせることである。
カネと女は手にしてみてからでないと分からない。
「わが社は儲かる方向に進んでいるのか」をつかまなければ、・・・・・
中小企業の社長が新収益事業や新収益源を確実にモノにするには、「これまでの自社の強みをいかに活かすか」を、いろいろな角度から、とことん追究していくべきだと思うのである。
多店舗展開においてもっとも重要なことは、一店舗でも赤字店を出してはならないということだ。
親会社が自社で行わないのは、利益率の低い仕事であるからである。
親会社100%の子会社は労働集約的な仕事の分野では、中小企業に太刀打ちできないのである。
なぜ大会社が予算管理によって経営が行われているかといえば、・・・・・年度末の業績予想を発表しなければならない。
「やる気」は、多分にムード的で一時的な勢いに終わりやすい。
社長の考え方を幹部に浸透させるためには、繰り返し繰り返し話すことが必要だ。
自分がいいと思っていても相手がどう感じているか、社長はとくに言葉遣いは慎重を期さねばならない。
付加価値を稼ぎ出すのは現場である。その現場を社長が直接指揮・指導できないような組織では、経営効率を著しく低下させ、お客さんと接している現場の実態を正確に経営に反映できない。
わが社の五年、一〇ねん先の未来像を、絶えず絶えず考えつづけていると、考えようとしなかった社長とでは、格段の業績差がつくのである。
経営理念はまず、経営者自身が考えに考え抜いて心の底からこれだと思えるもの、さらに従業員も株主も納得できるもの、広く世間の人々が賛成してくれるもの、天地自然の理にかなっているものでなければならないものです。
一〇年という期間は先を予測するには長いようで、時間が過ぎてみると実に短いものである。
社長室長は、内閣でいえば官房長官の役割を担う。
社長によって会社は栄え、社長によって会社は衰退する。
才は徳に及ばない。
経営者の部下に対する一言の重さは計り知れない。部下の心に火をつけるのか、いたずらに腐らせるのか、人を用いる源として、経営者の一言にはくれぐれも心して頂きたいものである。
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