日本経済新聞社編『マネジメントの名著を読む』日経文庫
新しい知というのは、今ある知見同士の「新しい組み合わせ」で生まれるのです。
『戦略サファリ』
- 1960年代に主要な考え方が発表され、現在の学術研究では見向きもされなくなったデザイン・スクール
- 戦略とは事前に計画されるものではなく、実際にビジネスを進めて顧客の反応を知り、現場の声を聞き、試行錯誤の上にわき上がってくるものだ
- 今のグーグルの事業モデルの柱となっている広告とページランク・システムの仕組みを先行して生みだしたのは、オーバーチュアという会社です。
- 彼が厳しく批判するのが、ポジショニング・スクールです。
- 我々が気をつけるべきは、一つの理論にこだわる余り視野が狭まることです。
- 10スクールのどれを適用するかは、組織の発展段階で異なる。
『競争の戦略』
- 経営学でいう「競争優位」とは、まさに独占に近い地位を特定領域で築くことです。
- ポーターはまず、「5つの力」という概念をもとにした業界構造分析を通じて、競争優位をつくれる状況にあるかどうかを判断します。そのうえで、どのような基本戦略を選ぶべきかを定めるというアプローチをとります。
- ポーターの枠組みに沿って言えば、参入障壁は高く、撤退障壁は低く、代替産業との距離は遠く、川上(売り手)や川下(買い手)の業界よりも交渉力の高い状態にあることが望ましいのです。
- 『競争の戦略』におけるポーターの理論は事業戦略の方を扱うものとなっています。
『ブルー・オーシャン戦略』
- 「戦略より戦術」を合言葉にしていたリクルート
- 資源の少なさや抵抗を言い訳にしない
- 聞き上手の人は、基本的に「人間の内面は、そう簡単に理解できるものではない」という認識を持っている。
『イノベーションのジレンマ』
- 偉大な企業は正しく行動するがゆえに、やがて市場のリーダーシップを奪われてしまう。
- イノベーションによる性能改良は、顧客の要求(ニーズ)の上昇よりはるかに速いペースで進む。
- 破壊的イノベーションによる製品は、中心のユーザーではなく、一部の新しいユーザーに評価されることで市場に参入します。
『マネジメント』
- 予期せぬ顧客や使われ方が現れた時、またはその逆に、当然使ってくれるだろうと思っていた顧客が使ってくれなかった時には、そこには大きなチャンスが潜んでいることが多い。
- 企業は業績に貢献しない活動を切り捨てることによって成長する。業績に貢献しない活動は企業の力を枯渇させるだけである。
『ビジョナリー・カンパニー』
- ビジョナリー・カンパニーの究極の製品は「企業そのもの」であり、すばらしいアイデアにとらわれすぎると、組織づくりがおろそかになりがちというのがコリンズの洞察です。
- コリンズによると、偉大な企業へと飛躍した企業は、経済的原動力を強化する鍵を、「〇〇当たり利益」というシンプルな財務指標に結晶化させています。
『プロフェッショナルマネジャー』
- 経営は「アート」であり、「サイエンス」ではない。
- 流行の「理論」に惑わされることなく、本質を見よ。
- 経営とは成果以外の何物でもありません。
- 本を読むときは、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
- 優れた経営にアメリカも日本もない。
- エグゼクティブとしてすることになっている仕事を本当にやっているなら、彼の机の上は散らかっているのが当然。
- 経営者たるもの「人生の快適な面を放棄する決意と高い職業意識が自分にはあるだろうか」を自ら問うべし。
- ドッグ(負け犬)がドッグになったのも、経営者の失敗の結果だ。それを低成長・低利益とみるや見切って売れというのは、経営責任の放棄に他ならない。
『巨象も踊る』
- 米国の取締役会は日本とは異なり、CEO以外は社外の取締役です。
- 日本で社外取締役の活躍の場が少ない理由の一つとして、「自社の事業のことを知らない」ことが挙げられます。
『ウイニング 勝利の経営』
- 経営の第一歩は「現実をよく知る」です。
- 競争相手のことなんかどうでもいい。社内でコミュニケーションが取れないことのほうが、よっぽど恐ろしい敵だ。
- コミュニケーションの成否は、受け手側がどう受け取るのかにかかっているのです。
- 大まかな方向性を決めて、死に物狂いで実行する。
- 勝ちたいのなら、戦略についてじっくり考えるよりその分、体を動かせ・・・・・適材適所そしてベストプラクティスを採用して、常に改善を加えていくことだ。
- 戦略とは単純に『あ、そうか!』を見つけ、大まかな方向性を決め、適切な人を配置して、しつこく、たゆまなく改善をしていくこと、それだけのことだ。これ以上複雑にしようとしたって、私にはできない。
- 考え抜くのは大変な仕事だ。だから、はやり(の経営手法)で済まそうとしてしまう。
- 世の中の50%の人に嫌われていなかったら、差異化の取り組みが甘いのだ。
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