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2017年7月 9日 (日)

中野剛志『真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学』講談社現代新書

一般に「イノベーション」とは、技術シーズを生み出すところから、それを事業化することまでの過程全体を指します。ベンチャー企業は「イノベーション」というよりはむしろ、イノベーションの一部である「事業化」を担っているということです。

アメリカはベンチャー企業の天国ではないのです。

シェーンが言うように、平均的な起業家の姿というものは、人の下で働きたくないとか、職を失ったとか、あるいは未来の可能性に対して楽観的であるといった動機によって、より長時間の労働で、より収入が少なくなったとしても、頑張ろうという人たちです。

日本がアメリカのようなベンチャー大国になれない最大の理由は、・・・・・単に、軍事大国ではないからなのです。

ベンチャー・キャピタルは、「人」の何を見ているのかと言えば、何のことはない、学歴・職歴とコネを見ていたに過ぎなかったというわけです。

シリコンバレーというのは、エリート限定の閉鎖的な共同体だったのです。

野中郁次郎氏らが喝破したように、イノベーションとは人材の能力の成長のことです。そして、小池和男氏が論じたように、イノベーションを生み出す人材の育成には時間がかかるので、長期雇用が必要です。長期雇用の労働者こそが、イノベーションの源泉なのです。

ROE経営は『すでにあるもの』の効率化を図ることはできても、『今はないが、将来つくるもの』の価値を最大化することはできません(原丈人)。

ウィリアム・ラゾニックが声を大にして批判しているように、この自社株買いこそがアメリカ企業の短期主義を助長し、アメリカのイノベーションの力を削いできた元凶の一つなのです。

①アメリカはベンチャー企業の天国ではない。

②アメリカのハイテク・ベンチャー企業を育てたのは、もっぱら政府の強力な軍事産業育成政策である。

③イノベーションは、共同体的な組織や長期的に持続する人間関係から生まれる。

④アメリカは1980年代以降の新自由主義的な改革により金融化やグローバル化が進んだ結果、この40年間、生産性は鈍化し、画期的なイノベーションが起きなくなる「大停滞」に陥っている。

⑤日本は1990年代以降、アメリカを模範とした「コーポレート・ガバナンス改革」を続けた結果、アメリカ経済と同様に、長期の停滞に陥っている。

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