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2017年8月30日 (水)

岡本茂樹『反省させると犯罪者になります』新潮新書

何度も反省させられて、最後に犯罪を起こしてしまう者の「代表者」が、刑務所に収容されている受刑者です。

ただ反省させることを繰り返すと、ますます内面の問題が分からなくなるばかりか、かえって大きな犯罪を起こすリスクを高めてしまいます。

受刑者は何度も反省させられた過去があり、さまざまな感情を抑圧していたのです。

最初に頭に浮かんでくる思いや感情は、たいていは「後悔」なのです。

犯罪は人間の心のなかにある「攻撃性」が表出したものです。

自分自身が内面と向き合った結果として、自然と心の底から湧きあがってくる「罪の意識」こそ、本当の「反省」なのです。

表向きは相手に対して誠心誠意、謝罪の態度を示しながら、心のなかは自分自身のことしか考えていないわけです。

受刑者が自分の問題と向き合うためには、支援者の存在が不可欠です。

「後悔」が先、「反省」はその後

何度も少年院や刑務所に入った者ほど、皮肉なことに、「反省の仕方」を学ぶことになります。周囲の大人が喜ぶような反省の仕方を彼らは身に付けます。

反省させてはいけないのです。被害者に対して不満があるのであれば、まずはその不満を語らせるのです。不満を語るなかで、なぜ殺害しなければならなかったのか、自分自身にどういった内面の問題があるのかが少しずつみえてきます。・・・・・本音を語らないかぎり、受刑者は自分の内面と向き合うことはできません。

アルコールやギャンブル、セックスや違法薬物である大麻や覚醒剤にはまり込んでいく背景には、人に頼れなくなった過去があるのです。

悪いことをしたら、とりあえず「上辺だけ」謝っておこうという考え方がほとんどの受刑者に根付いているのです。

日本の少年や成人による殺人事件の件数は、先進国のなかでは断トツに低く、一向に増加していません。

反省は抑圧を生み、最後に爆発する。

日本人は「人を殺さないこと」で有名なのです。

大半の受刑者は反省していません。

彼らは、反省することよりも、「二度とパクられない(逮捕されない)方法」を考えるのです。

受刑者が、私たちが思っている以上に、被害者に対して不満をもっている場合がある。

不遇な生活環境で育ってきたなかで生じた寂しさや辛さ、ストレスといったものが関係しているのです。

真の「更生」には「終着点」がないのです。

日本には終身刑という刑罰はありませんが、無期懲役刑は今や実質的に終身刑となっていると言っても過言ではありません。

問題は、皆が「悪いことをしたのだから反省させるのが当たり前」と考えているところにあるのです。

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