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2017年9月11日 (月)

佐藤優『獄中記』岩波現代文庫

戦後は、政治犯は存在しないという建前となっているので、政治犯罪を経済犯罪に転換するという作業が必要になる。それで贈収賄、背任、偽計業務妨害のような犯罪がつくられていくのだ。

独房には時計がないので時間がわからない。

ハーバーマスの本では、17世紀末から18世紀に、コーヒー、ココアを飲む習慣がヨーロッパの有産階級に普及し、それとともに喫茶店文化ができ、喫茶店を中心に政治について論じる空間ができたとの考察が面白いです。

ハーバーマスやカントにとって国家や法は究極的に道徳によって基礎づけられているという解釈をとっている、と佐藤は理解している。

プロテスタントの世界で「善」とされていたことが、カトリックの見方では「悪」となってしまうのがとても興味深いです。

プロテスタントから見れば、ルター、カルバンは英雄ですが、カトリックから見れば極悪人です。

日本の外交官が、ロシアで(恐らくはヨーロッパ全域で)良好な人脈を構築できない要因の一つが、教養の不足にあります。

国家とは、学術的に見るならば想像の政治的共同体、すなわち、人為的産物であることに間違いありません。

自由主義的保守主義というのが、私の基本的な考え方です。

シモーヌ・ベイユのように苦悩とは物理的にも共有しなくてはならない。

苦難を頭だけで理解するというのでは不十分で、身をもって共有することが不可欠というのがベイユの思想です。

北朝鮮のような国との交渉では、諜報チャネルを用いた「密室外交」がまさに必要なのです。

私自身が『太平記』の中でいちばん感情移入できるのは僧侶たちです。

足利義満は、明という超大国に日本が吞み込まれてしまわないようにするために、・・・

『太平記』の中で行動規範として引用されているのはすべて中国の古典からです。

チェチェンには「血の掟」という独自の「仇討ちの掟」があります。

プラグマティズムの考え方・・・・・つまり、人間の理性は同じなのだから、十分な時間と条件さえあれば、誰もが共通の結論を見出すことがきるという了解があります。

ナチズムがドイツ人の病理現象であったということについては、ほとんどの知識人の間で共通認識が得られています。

ヒトラーはルターを崇拝していました。

カント的アプローチを用いた方がナショナリズムの欠陥をより的確に説明することができます。

旧約聖書に書かれているユダヤ人の知恵が役に立つかということを実感しました。

イスラーム世界では、ムハンマドがネコをたいへんに愛したという伝承が多く残されているので、・・・

立川流を押さえておけば、日本の新興宗教やカルト集団の土壌を理解することができると思う。

人間の活動において、道具は決定的に重要である。

物事を考察するときに方法論は死活的に重要である。方法論が異なると、同じ出来事が全く異なった姿に見えてくる。

資本主義システムの強さは、その強靭な生き残り能力にある。

ナショナリズムには、「自民族の受けた痛みについては敏感だが、他民族に与えた痛みには鈍感である」という非合理的な認識構造が存在する。

ユダヤ・キリスト教的な直線的時間理解、要するに初めがあって、終わりがあるという構造を持っている。

ルターには狂気に近いものがある。ヒトラーが最も尊敬していた偉人はルターで、・・・

韓国ではイエス教と言うのに対し、北朝鮮ではキリスト教という傾向が強い。

韓国のクリスチャンの多くは、朝鮮戦争で北から逃れてきた人々である。

自己の安楽、家族の利益を超えたところで、日本国家について考える幹部外交官がいないと国家は滅びる。

規則というものは、それを破るような現実があるから制定されるというのは神学的理解だ。

フーコーによれば、監獄は近代になってから生まれた制度で、近代の軍隊も病院も学校も向上も役所も、構造は監獄と同じだという。

官僚による「世直し」は、国家の暴力的機能を強化する傾向にあることを忘れてはいけない。

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