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2017年10月19日 (木)

中川剛『日本人の法感覚』講談社現代新書

日本国憲法をはじめ各種の「基本法」には、輝かしい理念が述べられている。だがそれは、基本的には輸入された思想や欧米の歴史的経験の結果であって、日本の思想や日本人の歴史的経験によって得られたものではないという限界がある。

自分でないものに向かって完成していく自分を意識すればするほど、精神の飢餓感は増していく。

欧米では法は自然法と実定法とに大分けされるが、自然法は神の法であり、宗教ないし倫理に発する命令である。

基本的人権のほうはこれに対して、制約がつけられない。永久不可侵であるから、改正がありうる憲法にも優越する。「人類」の遺産であるから、日本国民が勝手にどうこうすることはできない。しかも「過去幾多の試練」によってテスト済みという保証書までついている。

アメリカは、合衆国憲法修正第一条で国教は法律によっても認められないという立場をとっている。

アメリカ独立の理由は、イギリス政府による課税その他の経済的負担にあった。

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