小倉紀蔵『新しい論語』ちくま新書
『論語』の世界観には、<アニミズム>が色濃く宿っている。
孔子の世界観というのは、孟子とは異なり、性(人間性)と天(超越性、命とも)を容易に結びつけない。つまり超越しない。むしろ人のしゃべり方や顔色、鳥獣の鳴き声、さまざまなもののたたずまいや動き方などを重視し、形容詞を大切にした。
日本の近代は、『孟子』的世界観の日本化だったということができる。
八百万というのは「すべて」という意味ではなく、「かぎりなくたくさん」という意味である。
私の考えでは、孔子はシャーマニズムよりもむしろ<アニミズム>により近い思想家だったのである。
中国や朝鮮では、朱子学以降、『論語』を『孟子』的に、つまり<汎霊論>的に読み替えた。
『論語』においてもっとも重要な概念は仁
孔子が仁を定義しなかった
落語やお笑いの世界でもっとも大切なのは「何をいうか」ではなく「いついうか」だといわれる。
キリスト教では、親からもらった肉体的生命ではなく、神が与えてくれる霊のいのちこそが永遠に生きるのだ、と教える。
俳句は、絶対に心をうたってはならない。
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