田中弘『国際会計基準の着地点-田中弘が語るIFRSの真相-』税務経理協会
IFRSは、会社の「即時清算価値」、つまり、どこかの会社を買収するときの「買取価格」を計算するものです。
IFRSは、連結財務諸表に適用するために開発された基準です。
連結も単体もIFRSで対応しているのはイタリアなどの少数の国だけであり、ほとんどの国は連結にIFRSを適用していても個別財務諸表(単体とも言います)には自国の会計基準を適用しているのです。
「金づくり」の会計(IFRS)は、「ものづくり」の会計に適さないのです。
日本企業が・・・内部留保してきたのは、一つには研究開発のための資金を用意するためだったのです。もう1つは、不測の事態に備えるためなんです。
プロテスタントでなかった人はたった一人しかいない。ケネディ大統領です。
「国際会計基準」・・・・・中身は実はヨーロッパ基準です。
日本もアメリカも細かいルールを決めて決算をやるので原則主義的な考え方ではありません。
国際会計基準は、もともとはIASという名称でしたが、イギリスが主導するようになってイギリスの会計基準の名称であるFRS(財務報告基準)を使ってIFRSにしました。
世界の会計というのは、イギリスで生まれてアメリカで育って日本に伝播した来た会計です。
ドイツはコンツェルンの国でどちらかと言うと、コンツェルン企業グループの中で資金やものを効率的に運用するための会計です。今でいうと管理会計に近い会計が行われています。
フランスの会計は国家会計です。国が計画している経済計画に必要な情報を出させる会計。プラン・コンタブルと言っていますけれども、非常に画一的な会計をやっています。よく「大統領のための会計だ」とおっしゃる方もいます。
アメリカにしてみたら、ヨーロッパを疲弊したままに放置すればソ連によって共産化されてしまう。それを恐れたアメリカは、マーシャル・プランという名の欧州復興計画を立てて、ヨーロッパの救済に走ります。
イギリスはもともと細かいことを決めない国で、慣習に委ねるというところが非常に強い国なんですね。
包括利益は・・・・・実現した利益ではありません。IFRSではキャッシュ・フローの裏付けがなくても分配が可能でなくても、観念的に利益が生まれた、儲けたと言えるものを利益として報告しようとしています。
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