菊池章太『悪魔という救い』朝日新書
メソジストというのは十八世紀に英国国教会から分派したプロテスタントの一派である。聖書のメソッドに従うというのが名称の由来である。・・・・・日曜学校の本家本元である。
カトリック教会はもちろん悪魔の存在を認めている。
人は無意識のうちに「異質な他者」を排除しようとする。
悪魔とは神にさからって堕落した天使である。
宗教改革への反動から生れたものにイエズス会がある。
『カテキズム』によれば、その拒絶のしかたは徹底的であって、もはや撤回はできないという。悪魔には悔い改めの余地すら与えられていない。
悪魔に必要もないことを聞いてはならず、これを祓うのに不可欠なことのみを問うべきだという。その第一にあげるべきは名を問うことである。何匹の悪魔が憑いていたとしても、その中心となるのはつねに一匹であり、まずそのものの名を問わねばならない。
悪魔は精神的な存在であって実体を持たない。「悪」を具現化するために、それをやどらせる実体をしばしば悪魔は要求する。
カトリック教会にはマリアさまの像が立っている。プロテスタント教会にはそれがない。
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