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2019年11月10日 (日)

岡田暁生『オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」』中公新書

ヨハン・シュトラウスの『こうもり』を唯一の例外として、正規のオペラ劇場は絶対にオペレッタを上演しないのである。

十八世紀末のモーツァルトから二十世紀初頭のリヒャルト・シュトラウス/プッチーニまでの時代である。この百数十年こそはオペラの黄金時代であり、オペラが最もオペラらしい時代であった。

オペラが発展したのは何といってもイタリアの諸都市であり、ミュンヘン、パリ、ウィーン、つまりカトリック圏の宮廷都市である。

美しい詩文の抑揚を心掛け、オペラから喜劇的要素を追放した。こうして1720年頃に成立したのが「オペラ・セリア」と呼ばれるジャンルである(なお喜劇的要素はオペラ・セリアから分離されて、「オペラ・ブッファ」というもう一つのジャンルを形成することになる)。

モーツァルトのオペラは、少なくともうわべだけ見れば、おふざけと官能の連続である。

ワーグナーの『ニュルンベルクの名歌手』は、『魔弾の射手』と並ぶドイツの国民オペラである。第二次大戦中にナチスはこの作品を党大会で記念上演するなど、「愛国オペラ」として徹底利用した。

ムッソリーニもまた国民的作曲家ヴェルディを政治的に利用しようとしたのである。

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