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2020年2月

2020年2月21日 (金)

中島義道『過酷なるニーチェ』河出文庫

『ツァラトゥストラ』は、超人(候補者)のための書なのであり、それを自覚している者にとってだけの書なのである。

ニーチェは、キリスト教(パウロ主義)がもともと神は存在しないのに、あたかも存在するかのように2000年にわたってヨーロッパ人を騙し続けたことが赦せなかったのである。

ニーチェの主張するニヒリズムとはパウロ主義とプラトニズムに遡るヨーロッパのニヒリズムであること、・・・・・

エリーザベト・ニーチェが兄を天才に仕立て上げようというもくろみで編纂した、よってあまり資料的価値のない『力への意志』・・・

カントこそ、「神がもともと死んでいる」ことを暴いたのではないか?神の比重を無限小にまで低め、神が生きていても死んでいても同じことだと呟いたのではないか?カントは神の存在証明が有効ではないことを示してみせたが、神の不存在も証明できないことを示したのである。その代わりに、カントは「理性」を神の位置に据えた(理性信仰)。

カント倫理学のかなめは、善悪の内容があらかじめ決まっていないことである。それは、各自がそのつど理性の声を聴いて(自律)決定していくものなのだ。

要は、ワグナーの「不誠実」が耐えがたくなったのであろう。

彼の世話をした母や妹を、自分の思想を妨げる者として徹底的に嫌った。

 

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