クシティ・モーハン・セーン『ヒンドゥー教 インド三〇〇〇年の生き方・考え方』講談社現代新書
インドに入ってきたイスラム教の神秘主義であるスーフィズム・・・・・
『バガヴァッド・ギータ―』・・・・・ヒンドゥー教徒の守るべき行為の宗教的規範を説く基本的な聖典であり、・・・・・
・・・・・薄暗い寺院の片隅で、いったい、だれに祈るのか。目を開け、そして、あなたの前に神はいないことを悟れ。荒地を耕す農夫のそばに、石を砕く道路工夫のかたわらにこそ、神はまします(タゴール)。
事実、今日存在するカースト制度は、アートマン(我)と同一視されるブラフマン(梵=神)が万物のなかに遍在するという、ヒンドゥー教の根本教義と明らかに矛盾している。
われわれ人間は、すべて、欲望、怒り、恐怖、悲しみ、不安、飢え、労働などによって支配されているのに、なぜそのうえに、さらにカーストによる区別までも受けなければならないのか。
知識と瞑想を強調する「ウパニシャッド」
ブラフマンやアートマンを説く「ウパニシャッド」
「生きているかぎり楽をせよ。借金をしてでも楽をせよ。一度死んでしまえば、もうそれっきりなのだから」
仏教に対する「ウパニシャッド」の影響は明白であるが、しかしブッダは「ウパニシャッド」の思想を新たな方向に発展させたのである。
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