ミシェル・オンフレ『<反>哲学教科書 君はどこまでサルか?』NTT出版
性的欲求を満たさなくても身体の健康はまったく損なわれないーただ、精神の健康についてはそうはいかないだろうけどね。
精神的な欲求だけは人間に特有なもので、動物にはその痕跡はみじんもない。
理性の使用は経験の対象にのみ限定されるとし、そこから明確に区分される残りのものは、信仰の領域に属するとした(カント)。
キュニコス(犬儒)学派
魚も、ほとんど人間なみの知性がある証拠を示している。魚は射精の必要を感じると、隠れ場所から出てきて、表面がざらざらしたものに身を擦りつけるのだ。
作品は、その作品を味わう人物の教養、気質、性格があってはじめて意味をなす。
手ほどきなくして、美は成立しない。
『こうもり』の美しさを見抜くには、それが『こうもり』であることを知っていなければならない。
キッチュ(通俗趣味)
「レディ・メイド」とは、芸術家が無償の身振りによって選んだという事実のみをもって、芸術作品に変貌する匿名のオブジェのことである。
キリスト教はプラトンに多くを負っている。
人類の歴史は技術の歴史と一致する。
プロメテウス的論理
パノプティコン(一望展望装置)の原理
遺伝で受け継がれる身体の特徴や性格は、やはり選ぶことができない。
成文化されていない暗黙の法として、自然法というものが存在するとされる。
自然法は「アプリオリに(先験的に)」人道的だと思われている事柄を基礎としていて、・・・
間主観性(存在する者同士の関係)
ヘーゲルは、幸福な民族には歴史がないとさえいっている。
死者への忠誠を示し、死者のことを忘却せず、数百万もの人々の死を無駄にしないため、そして警戒の心構えを確立するためだ。
僕はいつも、僕を侮辱する連中を許してきた。けれどリストは取ってある(サンペ『いくつかの不思議』Denoel,1998)
ニヒリズム(虚無がすべてに勝るという考え方)
自分をあるがままの姿とは別ものだと想像しようとして、人間が発揮するこの特異な才能のことを、ボヴァリスムという。
精神分析医のデタラメを『決して』信じちゃいけない。
アタラクシア(悩みのない状態)
ソフィストたちはプラトンにとっての大敵だった。
「私は真理であり生命である」とキリストはいう。
遠近法主義(真理は存在せず、視点だけが存在するという立場だ)
知性の最初の働きから生まれる根源的な誤りは、後から遅れてもたらされる治療薬がいかに秀逸であっても、修復できないだろうからだ。
そもそも客観などというものは存在しないのだから。
フランクフルト学派(アドルノ、ホルクハイマー、マルクーゼ、さらにハーバーマス)
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