家永三郎『革命思想の先駆者―植木枝盛の人と思想―』岩波新書
植木枝盛くらい自分自身についてくわしい記録を書きのこした人間は珍しいであろう。
異性との交渉は必ずしも単なる私行にとどまらず、人倫の大義にかかわる社会倫理的意味をもつ行為である。その人を全人間的にとらえようとするときには、簡単に除外してしまうわけにはいかない。
人民は先なるものであり、国家は後なるものである。人民が集ってはじめて国ができるのであって、けっして政府によってできたものでもなく、君主によって立つものでもない。
人民は、つねに政治に関心をはらい、政府がその使命からはずれた行動に出ることがないように積極的な対策を講じなければならない。
抵抗権と革命権を公認することは、西洋にあってはきわめて古くからの伝統であって、・・・・・
第二次大戦が世界の民主主義的勢力の団結によるファシズムの敗北に終ったことは、抵抗権の思想をふたたびよみがえらせる好機を提供した。
親鸞の主著『教行信証』は、ほとんど大部分が先聖古哲の述作の引用文を編集しただけのものであり、福沢の主著『学問のすすめ』の重要部分が、ウエイランドの『モーラル・サイエンス』の翻案に過ぎないことは、すでに明らかにされている事実だからである。
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