田中要人『社長業の心得』日本経営合理化協会出版局
・・・・・これで大体間違いはない、大体これで誰にでもできるということをとりまとめたものが、本書に他ならない。
〝良いもの〟と〝要るもの〟を取違えているからである。〝要るもの〟こそ大切なのである。
頭の良い人に、現場の旋盤工をやらせてみるとよく分る。最初のうちは、珍しいから、一生懸命やる。こうすれば、もっと効率よく作業できる、という提案もしてくれる。一般の工員にはマネのできないことかもしれない。しかし、続かない。毎日毎日、繰返しやらせていると、音をあげてしまう。頭が良すぎるからである。
事実、伸びている企業というものは、何らかの形においてワンマン体制であるといえる。やはり、ワンマンでなければものごとが実行されないし、従って、この厳しい競争に勝ち抜いて発展してくことは難しい。
優秀な人材よりも、適材な人を。
より精神的な充実を求めている面を忘れて、単にアメとムチで人を動かしていては長続きしないのである。
改善の多くは、〝やってみなければ分らない〟ということである。〝まずやってみて、いけない点は直していく〟ということが肝心である。
小には小、大には大の経営がある。
経営とは改善の連続である。
リーダーシップというものは、権力や金の力とは無関係に人を引っ張っていける能力を指す。
当り前のことを当り前に着実にやる。
社長は一代、企業は末代。
悪妻は百年の不作。
女性は企業経営には不向きである。
企業の安定と発展のコツは、「当り前のことを、少し頭を使って、少々努力をして、当り前に着実にやる」ということに他ならない。
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