細谷貞雄編『世界の思想家24 ハイデッガー』平凡社
死とは、現存在がいつもみずから引き受けなくてはならない存在可能性である。・・・・・このひとごとでない可能性は、連絡のない可能性である。そしてそれは同時に、もっとっも極端な可能性でもある。存在可能として、現存在は死の可能性を追い越すことができない。死は、現存在が端的に不可能になる可能性だからである。こうして、死とはひとごでない、連絡のない、追い越すことのできない可能性としてあらわになる。
現存在は、実存しつづけるかぎり、事実上死へ臨んでいるが、差し当たって大抵は、頽落の様態で死へ臨んでいる。
日常的現存在は、おのれのひとごとでない、連絡のない、追い越すことのできない可能性を、大抵は蔽い隠している。
ひとごでない、連絡のない可能性は、追い越すことのできない可能性である。
ひとごでない、連絡のない、追い越すことのできない可能性は、確実な可能性である。
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