猪瀬直樹『言葉の力「作家の視点」で国をつくる』中公新書ラクレ
本イコール他者だからだ。
ファティックとは、どうでもいいような会話をつづけながら、人と人をつなぎ合わせる行為のことである。
左翼や右翼の言葉は、つまるところアジテーションであり、壮大な言葉を使っているようでいて、実際には中身がないところは等価なのである。
大言壮語の論理構成を検証すると、すべて「AはAである」と盛んに繰り返すところに特徴がある。だから感動が生まれない。これに対して、作家の太宰治や三島由紀夫の言葉は逆説や比喩に富んでおり、「Aでありながら、つねにBでもあった」と展開するから、印象深いのである。
夏目漱石は、『こころ』のなかで、「滅びるよ」と見えているなら、「何をしたら滅びないか」何か具体的な提案をしなければいけません。
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