野口悠紀雄『2040年の日本』幻冬舎新書
長期予測のほうが短期予測よりも確実な側面もある。
今後、年率1%の実質成長率を実現できるかどうかで、日本の将来は大きく変わる。
この経験から、「財政支出の財源は、中央銀行が貨幣を発行して賄えばよい」というMMT(現代貨幣理論)の考えが正しいように思われた。
MMTは「インフレが起こらない限り」という限定条件つきで国債によるファイナンスを正当化しようとしたのだが、まさにその限定条件が成り立たないことが分かったのである。
人口が高齢化した社会はインフレに陥りやすい。労働力不足によって供給力が落ち込むからだ。
他国に比べると、日本の成長率は低い。ことに、アメリカと比べると低い。
民間の予測は、政府の見通しよりは成長率を低めに評価している。
「プライマリーバランス」とは、国債発行による収入や国債費を除いた財政収支。
20年後程度を問題とする限り、労働力人口などには、あまり大きな変化はもたらさない。
多くの場合において、GDPの総額よりは、一人当たりGDPのほうが重要な意味を持っている。
日本が世界平均や中国やインドに比べて豊かな国であることは、40年経っても変わらない。
日本が比較優位を持つのがハイテク資本財であることは、将来も変わらないだろう。
日本国内で生産できないものの価格は、円安によって確実に上昇している。
EVは、ガソリン車とは違って組み立てが容易だ。
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