渡邉泉『会計学の誕生ー複式簿記が変えた世界』岩波新書
複式簿記の本質は、この継続記録によるフローの側面からの損益計算と有高計算によるストックの側面からの損益計算の二重計算にあります。
ゼロの概念は七世紀頃にインドで、また一〇進法も九世紀頃に同じくインドで確立し、それがアラビアに伝播していきます。
重要なのは、簿記したがって複式簿記は、十三世紀初頭のイタリアの北方諸都市で発生したという事実です。
結論から言えば、簿記の歴史は、商人たちの損益計算の記録の歴史だということです。
複式簿記の生成史にとって重要なのは、体系的な帳簿記録にもとづく損益計算なのです。
複式簿記の本質は、損益計算にありますから、・・・・・
複式簿記の本質は、単に記帳の二重性にあるのではなく、フローとストックの両面からの損益計算にあります。
会計史上、十九世紀は、リトルトンの指摘を待つまでもなく、極めて重要な時代です。複式簿記が会計へと進化していく時代なのです。
ドイツでは、今でも、原価計算とか勘定理論とか経営経済学といった言葉はありますが、英語のアカウンティングそのものに該当する言葉はありません。
ここで注意しておかなければならないのは、リトルトンの言う複式簿記の最大の特質であるプロパライアターシップという概念についてです。
会計学は価値論では成立しません。価格でなければ生きていけないのです。
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